化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

納谷・豊昇龍と並び立つ第三の力士、中西勇成

今、大相撲界で期待の若手と言えば誰でしょうか。

琴手計、竜虎、数多くの力士がいますが、知名度で言えばタイトルの2人を上回る若手はいないでしょう。

 

それぞれが大横綱の血縁者であるのもさることながら、同期入門である事がライバル関係を意識させます。

かたや体格を活かして相手を圧倒する納谷に、こなたスピードを活かして相手を翻弄する豊昇龍。

かたやクールな納谷に、こなた熱血な豊昇龍。

何もかもが対照的に見えるのも絵になります。

 

言わばこの2人にはストーリー性があるのです。注目される力士は実力は当然の事、何か飛び抜けたキャラクター性も重要なアイテムですが、このストーリー性こそが一番の基準になるのではないでしょうか。

 

さて、納谷と豊昇龍は平成30年初場所初土俵ですが、この時に初土俵を踏んだ力士には他に誰が居るのかご存じでしょうか?

 

中西、東岩、酒林、棚橋、琴紺野、朝東、田中、桑野

 

これらの力士達です。

このうち桑野さんは前相撲を取ることなく引退しているので、実際には納谷と豊昇龍を加えた9人が平成30年初場所初土俵を踏んだ力士ということになります。

 

さて、この中でアマチュア時代の実績が頭一つ抜けているのは納谷、豊昇龍、中西の3人でしょう。

そう、3人です。

 

誰だこの中西ってのは!

 

実は彼は高校時代、国体団体での準優勝の実績を持っています。

納谷は国体団体で優勝を経験してますが、その時の決勝戦の相手がこの中西擁する文徳高校でした。

 

しかし彼は祖父や叔父が大横綱などという事はありません。

飛び抜けたキャラクター性も無い、真面目なお相撲さんです。

実力者でありながら、同期入門の2人と比べて。いや、2人が居たからこそ目立たず、話題に上る事はありませんでした。

まさに、影の実力者と呼ぶに相応しいでしょう。

 

さて、彼の入門後と成績はと言いますと、前相撲では3連勝で早々に一番出世を決めました。

この時3連勝で勝ち抜けたのは納谷と中西の2人だけです。

しかし、スポーツ各紙では納谷と豊昇龍との直接対決ばかりが注目され、中西にはほとんど触れられていませんでした。

 

初めて番付に名前の載った春場所では初日に豊昇龍に敗れたものの、その後6連勝として6勝1敗の成績で終えています。

それでも「豊昇龍、白星スタート!」とは言われますが、中西の名前は「中西(境川部屋)を下し~」など、サラリと流されてしまいます。

 

序二段に番付を上げた夏場所でも6勝1敗、順調に番付を上げます。

 

そして三段目で迎えた名古屋場所。ここから急激にレベルが上がると昔から言われている地位です。後の関取達であっても、ここで足踏みを強いられた力士は多くいます。

納谷と豊昇龍はここも6勝1敗で乗り切りましたが、中西は壁にぶつかり3勝4敗で負け越し。ここで初めて2人と差が付きました。

 

秋場所、ついに勢いを止められた納谷と豊昇龍が、3勝3敗から勝ち越しを賭け3度目の直接対決。豊昇龍が初めて納谷を下して盛り上がる裏で、中西はこの場所も勝ち越せず3勝4敗に終わりました。

 

序二段に落ちた今場所は残念ながら初日からの休場で、来場所また出直しになります。

 

それでも入門からまだ1年。これからどんどん強くなってくれる事でしょう。

そしていつの日にか、納谷と豊昇龍のライバル関係から中西を入れた三つ巴へ。そう期待せずにはいられないのです。