化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

黒人が速いというのは偏見

 これは駅伝を舞台にした名作、「風が強く吹いている」の登場人物である留学生ランナーの台詞です。

 確かに人種全体の傾向としてフィジカルに優れているとはいえ、鍛えなきゃ意味はないですし、普段我々が出会うアフリカ系の人物の中で足が速い人の割合は日本人と変わらないはずです。

 しかしながら、駅伝で見掛ける黒人ランナーのほとんどは、その実力をかわれて日本に来ている訳ですから、この点において黒人=速いのイメージは間違いとはいえないと思います。

 

 駅伝で紹介される持ちタイム、あるいはマラソンでの自己ベスト。レース前になると確認したくなるものですが、時にはおや? となる程数字の振るわない黒人ランナーがいます。どうにも浮いた存在に思えて、気になってしまいます。

 

 その選手が実はとんでもない実力を隠し持っていて一気に走ってしまう様子、もしくは結局額面通りで途中から全く映らなくなってしまう様子。どちらであっても、一喜一憂することになります。

 

 この気持ちはただの判官贔屓でしょう。見た目だけでハードルが上がるのはちょっと可哀想ですがね。競技は違いますが、少年野球をしていた芸人のアントニーさんは打席に入る度に後退シフトを敷かれていたそうですね。

 

 見かけ倒しの選手はあえて応援したくなるロマンがありますし、それがいつか見た目通りの強さを手にすれば、1つのドラマになります。だから私は時折そんな選手を見つけては応援するのです。

 

 関東勢にとってはこれから箱根駅伝がありますが、その他の地域にとってはひとまず今シーズンの全国大会は終了した事になります。そんな中、私が個人的に気になった選手が一人。

 

 第一工業大学アニーダ・サレー選手です。この選手の今シーズン成績は以下の通りでした。

 

出雲駅伝    1区 区間16位

全日本大学駅伝 4区 区間20位 1人抜き

 

 第一工業大学といえば、山梨学院、日大と並ぶ留学生ランナーの名門大学です。これまでに何人もの留学生ランナーが出走してきました。当然、最低でもエース級の活躍を。あわよくば飛び道具級の活躍を求められてきました。

 時には寒さに弱いなどの理由で凡走してしまうランナーもいますが、それでも大抵の場合には同じチームの日本人と比べると格の違う走りを見せている事がほとんどです。

 一応でいえば全日本大学駅伝ではチーム内で最も区間順位が高かったですが、さすがに区間20位では目立つ事はできません。

 ロードへの適応が上手くいかずにブレーキとなったのでしょうか。それとも、元々の走力なのでしょうか。

 予選会での10000メートルタイムを見てみると、30:01。速くはなく留学生らしい留学生ではないですが、区間20位になるほど遅くもないという微妙なラインでした。

 

 現状では、ごぼう抜きは難しく日本人と同様の走りが求められる選手です。

 同じ持ちタイムの日本人がいればそこまで目立たない選手ですが、留学生というだけで受ける印象は変わってきます。それでも留学生だったからこうして選手の面白さに気がつけたのかも知れません。

 今後、このままなのか、それとも覚醒するのか。これからの活躍に注目していきたいですね。