巷では低山登山というものが流行っているようです。
これは過酷な高山に挑戦するのではなく、近場のそれほど高くない山に楽しくハイキングに行くというもの。
私もこれについては大好きなのですが、今回紹介するのはそんな並大抵の低さではありません。
登るのはズバリ日本一低い山候補の1つ、天保山です。
候補というのは、日本一低い山を自称する山はいくつか存在しているからです。
低さを競っても仕方がないように思えますが、1番と2番じゃやっぱり価値が全然違いますからね。
天保山は知名度では群を抜いているのではないでしょうか。日本一低い山は?と聞かれれば、大半の人は天保山と答えそうです。
その標高は脅威の4.53m
天保山の最寄り駅は大阪メトロ中央線大阪港駅です。私は子供の頃よくこの近辺にある中央体育館を訪れていたので馴染みがあったのですが、体育館横の公園の山のほうが数段高いという有様です。
超低山の中では比較的登頂難易度の高い山だと思っています。なねらら、どこに山があるか分からないので遭難者が続出するからです。
おすすめのコースは、東口から駅を出て海遊館へと向かう観光客を尻目に団地横を通り抜けて天保山へと向かうコースです。
一時期、ポケモンGOの影響で人が溢れ返った時期もありますが、最近はまた落ち着いています。訪れるのは地元の方々と、すぐ隣にある渡し船の乗船客ばかりです。
ふもと? から天保山を望みます。この階段が天保山の最難関地点です。
登山中の光景。正面に山本体? が見えてきました。
しかし背後の橋のほうが圧倒的に高い(笑)
低いながらもちゃんと山の形をしている・・・・・・かなぁ。
天保山登山をする人は大抵裏の登山ルートから攻めるので、天保山の形状が分かりにくいんですよね。こちらからであれば、山である事を実感できます。ちょっとだけね?
階段を上りきったところで、ふもとを見下ろします。そこには絶景が広がっていました。
これが頂上かな?
こっちでした。わざわざ隣にもっと目立つ物を置かなくたって良いのに。
裏側から見ると、こんな感じ。この壁分の標高しかありません。
真上に架かる大きな橋や記念碑も酷いですが、一番酷いと思うのは天保山の横に天保山よりも高いただの公園の丘がある事。なんでそんな意地悪するの!
だから正面側から公園に入ると、山頂へ下山していかなければなりません。なんというパワーワード。
ちなみに天保山の背後に見えるのは、安治川の渡し船。観光用ではなく、日常使いとして今も現役です。ちゃんとラッシュ時にも対応していました。大阪のど真ん中にこんなものがあったんですね。
USJから海遊館への連絡船としても使えるので、結構便利だったります。しかも無料で乗れます。凄い!
少し離れた場所から見てみると、天保山はこんな感じ。天保山は山というよりは海へ行く感覚です。潮風を浴びながら登山ができる山は、世界広しといえど天保山くらいなものでしょう。
大阪にはいちびりの精神というものがあります。
他の言葉で表現することが難しい感情なのですが、要するにしょーもない事を最大限に騒いで楽しもうという精神。
先の徳勝龍のように成功者に変身しなくたっていい。地味で取り留めの無いものは、それ自体が美しい芸術なのです。