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令和2年大相撲春場所感想&番付予想 次の覇者、迫る

 無観客開催。場所中何度も不穏な空気になりながらも無事に千秋楽を迎えることができました。ファンとしてもほっとしましたね。

 

 今年も荒れない春場所で、優勝は白鵬

 感動の初優勝が無観客場所だとどうしても寂しいですし、白鵬の優勝で良かったと思います。やはり大声援を受けながらの歓喜の瞬間であってほしいですからね。

 

 ここ最近の白鵬は優勝する時は一気に走り、逆に2敗もすると大きく崩れる印象があったので、大一番とも言えない取りこぼしでの2敗をしながらの優勝は、なんだか珍しいものを見た気分です。調べてみると、13勝での優勝は何と5年半ぶりでした。まだ鶴竜横綱に上がったばかりの頃。そりゃあ久々に感じるわけです。

 遠ざかっているといえば、白鵬は平成29年(2017年)夏場所名古屋場所の連覇以降、連続優勝果たしていません。それどころか、この2場所を最後に連続皆勤もありません。そんな中、来場所の白鵬はどうなるでしょうか。

 白鵬は出場していると判官贔屓で負けて欲しいと思ってしまうのですが、休場されるとどうしても寂しくなりますから、やはり上位陣は揃っていたほうが面白いです。

 

 白鵬元気で負けが良い

 

 歴代の大横綱たちもきっと同じような事を思われていたのでしょう。

 ここ数年の混沌期で何人もの初優勝者が出ましたが、その全てが白鵬の休場した場所でした。玉鷲は直接対決後の最終盤になっての休場だったので、ほぼ皆勤場所のようなものでしたが。

 やはり白鵬と優勝を争った上で勝つと優勝の価値はさらに上がります。

 

 場所前に注目していた霧馬山はツラ相撲の傾向があり、今場所は9勝でした。それでも随所に光るものがありました。終盤の5連勝を見ていると、この白星が上手い事続いてくれればもしかすればと思わされます。ツラ相撲の力士はロマンです。

 来場所以降、一気に本格化する可能性もあるのではないでしょうか。

 

 豊ノ島は残念ながら負け越しました。再昇進を狙った時の、毎日が最後の一番と言いたげな気迫も日に日に感じなくなってしまい、寂しいですがこれが歳をとるという事なのかなと感じます。

 一方の若手南宮は1勝と跳ね返されましたが、序二段で1つ勝てた事に大きな意味があると思います。同じく最下層にずっといた獅子丸も初めての勝ち越し、峰雲も場合によっては序二段昇格があり得る成績で、ここでもまた一つ時代が動きつつあると感じられます。

 

 朝乃山の大関昇進には32勝ということで賛否がありましたが、それは3場所だけで見た時の話だと考えます。

 朝乃山の一番のアピールポイントは、場所連続の2桁勝利だということです。

 これは高安栃ノ心貴景勝はもちろん、日馬富士鶴竜稀勢の里、さらには白鵬朝青龍貴乃花も達成していない成績です。さらに1年前には優勝もしています。朝乃山の星は足りないどころか、歴代でもトップクラスの実績を引っ提げで満場一致での大関昇進といえるでしょう。

 他の上位総当たり圏内力士と比較しても格が違い、朝乃山を大関に置くことで今の力関係に合致した番付になります。

 

 押し大関貴景勝、四つ大関の朝乃山として名を馳せていって欲しいですね。とはいえ、まずは貴景勝に角番脱出をしてもらわなければなりませんが。

 御嶽海は大関候補と呼ばれて、栃ノ心貴景勝・朝乃山とついに3人に追い抜かれてしまいました。今場所2桁勝利で起点にはなり得るわけですから、今年中に決めて欲しいところですね。まずはこれまで一度もない連続2桁を挙げられるかどうかが勝負でしょう。

 

 相変わらず次の時代は見通せないままです。それでも、新たな上位常連の形は見えてきました。かつての妙義龍・栃煌山隠岐の海・宝富士・豊ノ島安美錦。こういった面々の立ち位置に今は御嶽海・正代・遠藤・大栄翔・北勝富士・阿炎が立っています。ここに豊山や阿武咲も今後食い込んでくるかも知れません。

 しかし前述の面々は大関には手が届かずにベテランの域。今の上位常連陣も、気が付けば若くなくなっています。残された時間は多くありません。この中から1人でも突き抜ければ一気にまた面白くなると思うので、応援したいですね。

 

 今の状況は朝青龍が上がってきた頃によく似ています。それなりに期待の力士はいるものの、停滞するうちに中堅。前時代の力士たちは衰えながらもまだ一定の実力を発揮し、ここぞという場面では必ず勝つ。そんな時代です。

 この中で朝青龍は先人をごぼう抜きして一気に横綱にまで駆け上がっていきました。

 もしかすれば、次の時代の主役は今いる幕内力士ではないのかも知れません。今場所新入幕の琴ノ若は大器の片鱗を見せました。来場所には琴勝峰も上がってくるでしょう。さらにに目を転じれば、北の若や吉井も順調に出世を果たしています。次の世代がいよいよすぐそこにまで迫ってきました。時代の区切りは、来場所にでも起こり得るでしょう。

 

 

令和2年大相撲夏場所番付予想

 今回は番付予想が非常に難しいです。まず上位候補がスカスカで誰を置くかに迷います。最近は三役で大負けしてもほとんど番付が下がらなかった例があるので、北勝富士をこの位置に置きました。

 入れ替えも困難を極めました。明生は18枚目無くなる事で星足りなくなりますし、琴恵光上げないのは厳しすぎるので陥落と予想します。錦木は千秋楽に勝っているので何とか生き残れるのではと予想。落ちた場合に上がるのは翔猿でしょう。星数の足りない千代翔馬は無理に上げないと思います。

 十両と幕下の入れ替えは千代ノ皇と琴太豪との争いですが、直接対決で千代ノ皇が勝っている&対十両成績が千代ノ皇のほうが良いので、千代ノ皇のほうが有利と読みます。琴太豪は入れ替え戦と思われた一番に勝っていたのに、不運にも据え置きになってしまいそうです。これではぬか喜びですが、来場所気持ちよく昇進を決めて欲しいですね。

 琴太豪も上がってきた当初はスピード出世で、あっという間に三役まで辿り着くと疑いませんでしたが、まさかこんなにも長い間、関取候補のまま過ごすとは思いもよりませんでした。

 

 白鵬 横綱 鶴竜
貴景勝 大関 朝乃山
 正代 関脇 御嶽海
大栄翔 小結 隠岐の海
 遠藤 前1 隆の勝
 豊山 前2 阿武咲
宝富士 前3 北勝富士
  輝 前4 霧馬山
 阿炎 前5 炎鵬

 

幕内十両入替

↑琴勇輝・若隆景・照ノ富士・琴勝峰・琴恵光
栃煌山・剣翔・東龍・大奄美・明生

 

十両幕下入替
↑朝弁慶・富士東・千代ノ皇
↓矢後・朝玉勢・友風