化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

97回箱根駅伝感想 1位~5位

 下馬評が最も高かった駒澤大学が順当に優勝。予選会上がりでシードを取ったのは、予選会で圧倒的な記録を作った順天堂大学のみ。結果だけを見ればほぼ波乱のないレースにしか見えません。ところが、実際には荒れに荒れた箱根駅伝となりました。定期的に波乱は起きますが、今年の驚きは15年ぶりでしたね。何か起こる大会は1区の最初から様子がおかしいですから。今大会もそうでした。

 一方で区間新はヴィンセントのみ。去年は靴よりも好コンディションの影響のほうが大きかったのかも知れません。

 

 

1位(往路3位・復路2位) 駒澤大学 予想順位:2位

敢闘賞:石川拓慎3年 10区1位 1:09:12 奇跡の大逆転を演出

来年度の風向き

 

 これまで何度もチャンスがあっては届かなかった優勝。13年の時を経てようやく叶いました。優勝候補筆頭に挙げられながらもあと一歩追い切る事ができずに2位。それはこれまで何度も目にしてきた光景で、出走前に心配していた事でした。先頭を走るチームは違えど、9区終了時点ではその予感が的中かとも思われました。それが最終区で区間賞と区間最下位。まさかこんなドラマが待っているとは。

 今年のメンバーから抜けるのは小林だけ。他校も強いですが、来年以降も駒澤は力を示しそうです。

 

 

2位(往路1位・復路5位) 創価大学 予想順位:16位

敢闘賞:石津佳晃4年 9区1位 1:08:14 区間2位に1分差をつける大爆走

来年度の風向き

 

 全く予想していませんでした。大穴ですらない無印。もしあのまま優勝していたのなら、亜細亜大学優勝すらをも上回る衝撃だったでしょう。昨年度ようやく初シードの新興校で全日本には出場すらせず。持ちタイムは下位に沈んでいました。活躍した途端に後出しで長い距離はそれなりに適性があったと評する向きもありますが、そもそもハーフの持ちタイムでもせいぜいシード争いのチーム。急速に伸びた上に全ての歯車が噛み合った結果といえるでしょう。優勝した往路では留学生ランナーが最も区間順位が下だったのも面白いですね。それだけ選手の平均レベルが高いということです。

 確かに今年は出来すぎだったのかも知れません。しかし、かつての東洋大学や青山学院は1度の成功をきっかけに大化けしました。勝つための方程式が完成したと見るならば、来年以降も確実に脅威となりえるでしょう。

 

 

3位(往路2位・復路9位) 東洋大学 予想順位:6位

敢闘賞:松山和希1年 2区4位 1:07:15 東洋のニューヒーロー誕生

来年度の風向き

 

 今年は活躍するのではと低い前評判に反して推していただけに、嬉しい結果。やはり力はありました。キーマンといえた西山が最後まで復活しなかったのは残念でしたが、しぼみかけた勢いを8区野口の快走で取り返したのは流石ですね。

 3位に返り咲くことができたのは有力校が軒並みブレーキを起こしていたからですが、東洋大学自体も主力級が揃いも揃って欠場した中での3位です。なのでプラスマイナス0といったところでしょうか。ここ数年はベストメンバーを揃えられていません。優勝を狙うならば、コンディションをしっかりと合わせられるかが鍵となるでしょう。

 

 

4位(往路12位・復路1位) 青山学院大学 予想順位:3位

敢闘賞:近藤幸太郎2年 7区3位 1:03:14 巻き返しの空気はこの区間で生まれた

来年度の風向き

 

 さすがに往路で遅れすぎたか。復路優勝で意地を示しましたが、久々の区間賞なし。以前の青山学院であれば区間賞3つで区間新も取るくらいの圧勝で巻き返していたでしょうし、その復路優勝にしても駒澤大学と2秒差で、9区までは創価大学と競っていました。往路で大きく引き離されて復路で同格と考えると、やや優勝候補とは差ができたようにも思えます。

 とはいえ来年以降一気に落ちそうにも思えません。強かったのは95回大会までのメンバー(その時は優勝を逃しましたが)なので、良くも悪くも今年くらいの順位が今の実力で、去年が実力以上の大活躍だったのでしょう。次のスカウトはかなり上手くいっていると聞きます。まだ暫くは、東洋と似たような立ち位置で上位戦線に顔を出し続けるでしょう。

 

 

5位(往路5位・復路10位) 東海大学 予想順位:7位

敢闘賞:石原翔太郎1年 3区1位 1:02:05 佐藤悠基の1年時を超える

来年度の風向き

 

 3強の一角でありながら伸びなかったと評価されがちですが、実際にはかなりの善戦だったと思います。それだけ卒業した黄金世代の影響は大きく、下手をすればシード争いに巻き込まれかねませんでした。

 今年の4年もエース格が多かったので、来年度はさらに厳しくなりそうです。そんな中で石原は救世主となりえる存在でしょう。この石原をかつての東海大学に見られたようなワンマンエースにせず、脇を固めることができれば光は見えてくるはずです。