化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

98回箱根駅伝感想 1位~5位編

1位(往路1位・復路1位) 青山学院大学 予想順位4位

金栗杯:中村唯翔3年 9区1位 1:07:15新 圧倒的なタイムで勝負を決める

来年度の風向き

 

 事前の故障情報に騙されて順位予想は外しましたが、主力全員が出場できるという条件下であれば、このタイムも驚きではありません。唯一不安だった、好不調の波が激しい5区若林が良い方向へ転んだので、言うことなしでしょう。

 それでも8区まではまだ常識的な?独走劇でした。最後の2区間で生まれた新記録だったと言えるでしょう。10区の中倉は例年であれば金栗杯でもおかしくありませんでしたが、それぞれ14年ぶり、15年ぶりの記録を破った2人と比べると地味だったのでしょうかね。

 大記録を作った中村&中倉に加え、今年のこの結果でも万全ではなかった岸本&佐藤が100%の状態で加われば、向かうところ敵無しと言えそうです。ここ最近の反則級のスカウトで入部した選手が揃って順調に伸びています。

 新1年生はここ数年と比べると大人しいですが、相変わらず層の厚いメンバーなので、誰かは必ず出てくるでしょう。

 

 

 

2位(往路5位・復路5位) 順天堂大学 予想順位5位

敢闘賞:伊豫田達弥3年 3区3位 1:01:19 悪い流れをすぐに止めたことが後の追撃につながる

来年度の風向き:

 

 毎年期待されながら、上位まで届きそうで届かなかった順天堂大学ですが、ついに本領を発揮し始めました。それにしても、往路・復路とも5位で総合2位になる辺り、今回安定して走れたチームが少なかったことを感じさせます。

 2区の三浦は前回の1区10位に続いて2区11位と微妙な結果に。これは凡走というよりも、そもそも三浦は3000SCの選手なのでハーフの距離は本職でないためでしょう。それでも充分なタイムで走ってしまうあたりが凄いですが、適性を考えると下り基調の3区あたりで繋いでいく選手です。それでもエース区間に起用されたのは、長い距離でも使えるようになれば死角が無いという目論見でしょうか。他の選手も充分強いので、三浦をもう少し楽な区間に置けるようになれば、かなり面白くなりそうです。

 優勝のためには7年連続で区間2桁に終わっている1区の出遅れをどうにかしたいところですね。決して力の劣る選手を置いている訳でもないのに遅れてしまうのは不思議です。

 

 

 

3位(往路3位・復路9位) 駒澤大学 予想順位2位

敢闘賞:田澤廉3年 2区1位 1:06:13 有力選手が期待通りに走ることは意外と難しい

来年度の風向き:

 

 結果は不安が的中する形に。万全といったコンディションではなかったので不完全燃焼の大会でした。

 1区から良い流れを作り、2区田澤が快走。2区に多くの留学生が登録される中、10000mタイムのトップが田澤。日本人留学生とでも言うべき怪物が実力通りに走りました。今後何処まで伸びるのか楽しみです。ここまでは完璧な流れでした。

 ところが3区で区間16位。2位と1分以上の差を付けていたところをひっくり返され、そのまま5位にまで落ちてしまいました。快走区間の後、詰められたとしてもそれなりの走りであれば勢いを持続できますが、区間2桁後半となるとそこで勢いが止まってしまいます。そこからはゴールまで大きな見所を作ることができませんでした。鈴木芽吹は残念でしたが、仮に実力通りに走っていたとしても青山学院の背中は遠かったと思います。

 どうにも駒澤大学箱根駅伝で上手く走れない傾向にありますね。新年度は洛南高校の佐藤というゴールデンルーキーが入部してくるので、後は調整力を上げたいところです。

 

 

 

4位(往路9位・復路2位) 東洋大学 予想順位10位

敢闘賞:松山和希2年 2区5位 1:07:02 気が付けば日本人2位

敢闘賞:清野太雅3年 10区2位 1:08:50 こちらもサイレントで速い東洋を体現

来年度の風向き:

 

 今回のサプライズ枠。タイム的にはシード権すら危うく、目立った伸びもなし。有力な新入生も居ない。賭けの木本は奮わず、頼みの宮下も凡走。それなのにこの底力は一体どこから来るのでしょうか。

 青山学院のランナーが区間新ペースで走ると騒がれる中で、実はその時上位に必ず東洋大学の文字がありました。ほとんど触れられませんでしたが、実は速かった東洋大学。不調だったとはいえヴィンセントと同タイムの松山、前区間記録に10秒差まで迫った清野。少しずつ詰めて、最後の最後で順位も浮上させました。

 気が付けば継続中の連続シードはトップに。かつての名門校が持っていた連続シード記録のような伝統になりつつあります。ここまで来れば本物、来年も安心して見ることができることでしょう。

 

 

 

5位(往路7位・復路4位) 東京国際大学 予想順位9位

敢闘賞:丹所健3年 3区1位 1:00:55 すっかりエースが板につく

来年度の風向き:

 

 躍進のシーズンとなりました。ヴィンセント・丹所に2枚看板以外に派手さはありませんが、確実な走りで危うげなくシード獲得。これまで不安要素だった長い距離への耐性もできてきたようです。

 今回区間順位が良くなかったのはいずれも山の5区と6区。順位が変動しやすいこの2区間を落としてなおこの順位。言い換えれば、山に目処が立てば大爆発の予感がします。

 ヴィンセントと丹所が共に最終学年となる来年は勝負の年。次の優勝候補に急浮上してきました。