玉鷲が初優勝した時。優勝するだけでも驚きで奇跡のようなもの、ベテランになって力士人生のハイライトを迎えるのは衝撃的でした。そう遠くない将来、玉鷲が引退する時もこれが１番の思い出になっているだろう、誰もがそう考えたことでしょう。
それがまさか２回目があるだなんて。今場所が始まる前、玉鷲への注目は出場記録に対してでした。ここから玉鷲が大関になる可能性だって０じゃない。そう思えてしまいます。
ここ２年間、相撲界を引っ張ってきた照ノ富士に対して唯一対抗できる力士。そう考えれば、この優勝は必然だったのかも知れません。しばらく離れていた三役の地位にも戻りそうです。単なる年長記録にとどまらず、相撲の成績で記録を残していけそうです。
その照ノ富士は長期離脱しそうな状況。ようやく長く続いた乱世が終わり、照ノ富士時代が始まったといえるのはつい最近の話。満身創痍ですし、そう長く続くとは思っていませんでしたが、このまま限界を迎えてしまわないか心配です。
近年、ありそうでなかった連続平幕優勝。前回は琴富士と琴錦の優勝まで遡ります。あんなに時間をかけて終わったはずの大相撲戦国時代があっさりと戻ってきたと見てよさそうです。大関が短いスパンで入れ替わる昨今、１年後の番付すらも予想できません。白鵬の引退が遠い昔のようです。
場所前に注目していた力士たち
大穴狙い幕内最高優勝予想：錦富士 西前頭１０枚目 １０勝５敗
流石に優勝には届きませんでしたが、優勝争いはできました。新入幕からの連続２桁で来場所にも期待がかかります。先場所は史上最多不戦勝３つでの２桁でしたが、今回は土俵上で勝ち取った２桁です。熱戦になった貴景勝との取り組みも、今後は何度も見られることになるでしょう。
正代 西大関 ４勝１１敗
確かに初日を乗り切ることが大事と書いたがそうじゃない。苦手も苦手、大の苦手としている初日に白星を挙げましたが、ここで落とし穴。あれよあれよという間に９連敗。今場所は持ち前の粘りも見せることができませんでした。大ピンチの来場所、三度立ち直ることはできるのでしょうか。
翠富士 西前頭筆頭 ７勝８敗
番付運に恵まれ、飛び級でまさかの上位抜擢でしたが、健闘しました。上位でも充分通用する力があることを示しましたね。初見の強みを活かして上位総当たり戦でも活躍しながら、２～３場所で慣れられてしまう力士はよくいるので、来場所以降が本当の勝負となりそうです。
水戸龍 東前頭１６枚目 ５勝１０敗
平戸海 西前頭１６枚目 ７勝８敗
残念ながらどちらも幕尻で負け越しました。水戸龍はどうしても幕内だと決め手に欠く部分があるようです。流石に力士１人だけ（番付外にいるもう１人は現在部屋に居ないようなので）だと話にならないので、早く弟弟子が誕生してほしいですね。
吉井 東幕下３枚目 ２勝５敗
初の幕下５枚目以内でしたが、跳ね返されました。着実に力はつけてきているので、リベンジに期待したいところです。
湘南乃海 西幕下５枚目
十両昇進なるか微妙なラインです。ワンチャンスをものにすることはできるでしょうか。番付編成会議の結果が待たれます。
九州場所番付予想
幕内上位
三役がますます大渋滞。初場所には前代未聞の５小結があってもおかしくありません。もう長いこと無かった関脇７勝での平幕転落もあり得ますが、平幕上位も詰まっていて割を食っている力士が多いので、少しでも平幕勢は見かけ上の番付を上げるために、大栄翔は小結に残ると予想します。
御嶽海が残るために関脇の枠が空かない関脇ロックがようやく外れたと思ったのに、１年経たずに帰ってきてしまうとは。果たして来場所復帰することはできるでしょうか。最強関脇と謳われたのに、大関の短命記録作ってしまうのではもったいないです。
若隆景 関脇 豊昇龍
関脇 御嶽海
霧馬山 小結 玉鷲
翔猿 小結 大栄翔
高安 前１ 琴ノ若
明生 前２ 翠富士
宇良 前３ 逸ノ城
若元春 前４ 佐田の海
北勝富士 前５ 錦木
幕内ー十両入れ替え
入れ替えが多くなりそうです。期待の熱海富士は幕内昇進確定的。５枠目が微妙ですが、照強は残すほどではないかなといった印象です。
↑ 東龍、輝、熱海富士、東白龍、（武将山）
↓ 水戸龍、平戸海、豊山、剣翔、（照強）
十両ー幕下入れ替え
２枠は確定として、３枠目が難しい。豪ノ山、塚原、湘南乃海の３力士が争います。豪ノ山は場合によっては残れる成績ですが、千秋楽負けているのがどうか。一方で湘南乃海は新十両確実と見られる狼雅に千秋楽勝っています。塚原は星をみると分が悪そうですが、直接対決が優先された魁勝の例もあるので、充分チャンスがあります。千秋楽に豪ノ山と湘南乃海を組むこともできたのに組まなかったので、一応豪ノ山の残留が１番可能性高いとは予想します。
NHK放送では朝乃若の据え置き可能性についても触れていましたが、コロナ特例は感染拡大を防ぐための休場だったのに対して今回は後遺症という名目ですし、八角理事長が「今場所は関取にコロナ休場が居なくて良かった」とも語っていたので、通常通り幕下へ下がりそうです。
↑ 狼雅、對馬洋、（湘南乃海、塚原）
↓ 栃丸、朝乃若、（豪ノ山）
