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令和2年大相撲秋場所感想&11月場所番付予想 相撲繊細オバケ、3度目の正直

 正代の優勝、そして大関昇進で幕を閉じた今場所の大相撲。

 休場者だらけの苦しい場所が続きますが、戦国乱世の主役争いが白熱化してきました。

 

 場所前に注目されていた3人同時大関チャレンジはまさかの1場所で完結。正代が来場所を経ずに昇進となった一方、御嶽海と大栄翔は白紙に戻りました。御嶽海はもう何度目か分からない連続2桁失敗。それでいて一定数の勝ち星は挙げるので、いつまで経っても三役の枠を圧迫したままです。

 かつての魁皇も似たような立ち位置から名大関になったので、そろそろ上がって欲しいのですが。

 

 隆の勝が前頭筆頭で10勝しましたね。話題になっていませんが、密かに大関取りの起点となりました。来場所以降、どのような成績を残すでしょうか。

 

 

場所前に注目していた力士達

 

 場所前に大穴狙い優勝予想として挙げた逸ノ城は振るいませんでしたね。照ノ富士に影響を受けて覚醒するかと期待したのですが、そんな事はありませんでした。

 

 納谷も宇良も勝ち越し、十両昇進できそうです。納谷は豊昇龍と比較され、出世が遅れたような扱いをされてきましたが、実際には番付運が悪かっただけで幕下での成績は豊昇龍と大差ありません。先場所の5枚目以内勝ち越しで半枚しか上がらなかったのは流石に不運すぎました。ならばと5勝を挙げて文句無しでの昇進です。

 

 琴太豪は微妙ですね。以前も栃煌山の引退発表が遅れた影響で昇進を逃すなど、恵まれない面がありましたが、今回もコロナ休場者の扱いに左右されそうです。引退力士の数によっては昇進できる可能性もありますが、はたして。

 

 爆羅騎は勝ち越せたようですが、圧倒ともいかず。年齢的にも残された時間は多くありません。ここで1つ形を作りたいところです。

 

 下位に目を転じると、オールドルーキーとして紹介した加藤桜はこれまでの不振から一転、6勝と躍進を見せました。

 一方でベテランには苦しい場所となっています。臥牙丸は今場所も全休。引退する訳でもなく、全休を続けています。続報もなく心配です。今でも現役と言うと驚かれる芳東はコロナの影響でとうとう連続出場記録がストップしました。

 

 

来場所以降の展望

 

 両横綱はまたも休場。白鵬はともかく、鶴竜は厳しい立場に追い込まれました。なかなか日本国籍所得の認可が下りず、文字通り進退窮まった状況です。10年前、朝青龍の電撃引退によってやって来た白鵬一人横綱時代。あれから色々な事がありました。幕内力士のほとんどはそれよりも後の入幕。それどころか、当時はまだ入門していなかった力士も大勢います。

 当初は最大のライバルを失い、向かうところ敵なし。中盤からは白鵬が大横綱としての地位を確立しながらも、白鵬日馬富士鶴竜稀勢の里琴奨菊豪栄道の同世代6強時代といった状況でした。三役常連の力士たちも含めて年齢が1~2歳差なだけに衰える時は一斉だと言われていましたが、今がまさにその状況でしょう。

 3力士は既に引退、嘉風豪風コンビや豊ノ島安美錦栃煌山も土俵を去りました。幕内の座を手放す琴奨菊そして次の場所で進退を賭ける鶴竜もどうなるでしょうか。白鵬時代の末期に再びの一横綱がやって来るのでしょうか。

 一方の白鵬にしても、思っていたより重症だとの話。出場時に勝てなくなった時、それが引き際となるでしょう。

 

 次の時代は未だに見えてきません。ただ1つ言える事はチャレンジャー側もうかうかしていられないという事です。

 正代は大関としては遅咲きの部類に入ります。あの旋風を巻き起こした遠藤はそろそろベテランの域が近付いてきました。御嶽海に北勝富士豊山、少し前に大挙して押し寄せ次の主役と呼ばれた学生出身力士達。当時からあまりゆっくりしていると下の世代に追い抜かれると言われてきましたが、早くもその兆候が出てきました。琴勝峰や豊昇龍が先陣を切って新たなる黄金世代が十両そして幕内へと進出してきています。

 一方でベテランの狂い咲きや照ノ富士に千代の国といった復活勢も合わさり混沌の土俵が続いています。朝乃山と貴景勝は頭1つ抜けており、このまま勢力が固まるかとも思いましたが、正代という刺客が現れました。その正代はここ4場所で3場所も優勝戦線に乗っており、一気に1番手へ躍り出る可能性もあります。

 この大混戦時代はいつまで続くのか。もしかすれば今場所が最後だったのかも知れません。ターニングポイントが分かるのはいつも後になってからです。

 

 

令和2年大相撲11月場所番付予想

  白鵬 横綱 鶴竜

 貴景勝 大関 朝乃山

  正代 大関

 御嶽海 関脇 隆の勝

照ノ富士 小結 高安

 若隆景 前1 霧馬山

 大栄翔 前2 阿武咲

   輝 前3 北勝富士

隠岐の海 前4 妙義龍

 琴勝峰 前5 翔猿

 

 正代の大関昇進を受けて、ところてん式に高安が三役復帰となりそうです。復調傾向がありますし、照ノ富士と共に大関復帰を目指して欲しいですね。

 

幕内ー十両 入れ替え

 琴勇輝・琴ノ若千代翔馬・天空海・千代の海・(千代ノ皇or明瀬山)

 旭大星・松鳳山・阿炎・石浦琴奨菊・(志摩ノ海)

 

 6枠目はここ最近の下げ優先傾向からすれば入れ替えとなりますが、今日の割は明らかに入れ替え戦でした。千代ノ皇が勝てば逸ノ城を引きずり下ろして昇進、明瀬山と天空海の勝った方を昇進、そのような明確な意図を感じ取ることができました。一方で志摩ノ海は特に入れ替え戦といった様相ではなく今場所好調の若隆景と当てられています。

 千代ノ皇と明瀬山は単純計算では同じ地位となり、どちらか片方だけを上げるのは不公平。これを踏まえて、入れ替えは5人と予想します。

 

十両ー幕下 入れ替え

 貴源治常幸龍・納谷・宇良・(千代の海・琴太豪)

 北播磨・王輝・大翔鵬・(富士東・東龍)

※木崎海が引退

 

 コロナ休場者の扱いがどのようになるのか。それによって大きく変わってきそうですが、候補としてはすんなりと決まりそうです。ここにはまだ書けない事として、琴奨菊の進退に注目が集まっています。下位の力士にとっては人生が掛かることなので、気が気でないでしょう。果たしてどのような結果になるでしょうか。

 王輝はいつかまた帰ってきて、今度こそ関取初白星をもぎ取ってほしいですね。