長く待ち望んだ本場所がやって来ました。
さすがに通常開催とはいきませんでしたが、今は開催してくれるだけで満足です。
ただでさえ混沌とするここ数年の土俵上。今場所は、いつもと力士たちの調整も違っていただけに全く予想がつきません。案外こういう場所であっさりと白鵬が優勝しそうな気もしますがね。
調子が良ければ三役でも勝ち越し、けれど気が付いたら下位まで落ちている。そんな力士ですが、大負けするかと思えば後半帳尻を合わせてきたり、勢いのある力士に土を付けたりと妙なところで力を発揮します。強い、という訳ではないのですが、贔屓力士がこの魁聖と当たるときは油断ならない雰囲気を醸し出します。
過去に突発的な優勝をした力士は、こういった力士が多いです。既にベテランですが徳勝龍と同い年、決して不可能な年齢でもありません。
それに今場所は体を合わせての稽古がほとんどできませんでした。技巧派の力士にとっては厳しい状況である一方で、魁聖のようなパワー型の力士にとってはあまり関係ありませんからね。これも大きな追い風となるでしょう。
誰にでもチャンスがあるとはよく言われますが、実際にそうであるのは今の時期ではないでしょうか。今場所もどんな新星が生まれるのか、楽しみですね。
その他B級注目ポイント
西前頭11枚目 栃ノ心
東前頭13枚目 高安
東前頭14枚目 琴奨菊
東前頭17枚目 照ノ富士
元大関が幕内下位に4人も。こんな場所がかつてあったでしょうか。それぞれ置かれている立場は違いますが、それぞれが背負うものを持っています。華々しい大関の姿もまた素敵ですが、懸命にもがく今の姿もまた1つの美と言えるでしょう。
東幕下筆頭 琴太豪
もう何度目かも分からない関取挑戦。上がってきた時はあっという間に新十両を決めると信じて疑いませんでした。それがこんな苦労人になるとは。もう若くはありません。下からは若手の突き上げがあります。今上がらなくては次のチャンスがあるかどうかも分かりません。やはり最後はハッピーエンドで終わって欲しい。そう思わずにはいられません。