霧馬山の逆転優勝で幕を閉じた今年の春場所。混戦はもう長く常態化していますが、今場所はレベルの高い争いで、特に満足感のある場所になったと思います。特に三役陣がどんぐりではなく、揃って2桁勝ってきたことは大きいです。詰まりの解消のためには大関へ昇進してもらわないといけないですからね。
霧馬山(残り10勝)と大栄翔(残り11勝)は来場所大関取りになります。若元春(残り13勝)も大勝ちすればあり得るでしょう。ここ最近昇進レース先頭を引っ張っていた弟の若隆景とは順番が入れ替わりましたね。豊昇龍も大関チャレンジ開始(今場所10勝。全勝や14勝での優勝があれば来場所後の可能性も)で、琴ノ若(今場所9勝)と正代(平幕筆頭で10勝)も弱いながら起点に成り得ます。 一気に昇進レースが激化してきました。今は1横綱1大関の寂しい番付ですが、来場所からは一気に増えていきそうです。
場所前に注目していた力士たち
王鵬 西前頭15枚目 7勝8敗
よく巻き返しましたが、惜しくも勝ち越しには届かず。それでも、朝乃山に土を付けるなど、潜在能力の高さを示しました。あともう一歩で才能が開花しそうなのですが。
朝乃山 東前頭筆頭 13勝2敗
徳勝龍 東十両14枚目 4勝11敗
幕内最高優勝経験者四天王。明暗が分かれました。とは言っても、十両にいる事情が事情なので、2人の大勝は驚きません。栃ノ心はもう少し勝てると思ったのですが、場所中に故障の再発がありました。休場は不可避かと思われましたが、よく粘りましたね。最後の連勝は、来場所の番付にも響いてくるはずです。徳勝龍はもう関取の力は無いのかなと思ってしまうような成績に。後半の連敗も、衰えた力士にありがちなだけに、心配されます。
照強 西前頭筆頭 3勝4敗
ここでも下げ止まらず。何とか連勝で星を戻して5枚目以内には残れそうですが、厳しい戦いが続きます。吊り出しをきっかけに、勘を取り戻したと思いたいところです。
大当利 西序二段24枚目 3勝4敗
あと一歩、勝ち越しには届きませんでした。それでも大負けではないので、来場所再挑戦したいですね。これからが伸び盛りです。
まずは幸先の良いスタートを決めました。朝青龍に目が行きがちですが、朝赤龍もかなり強い力士でした。朝白龍の活躍をもって、朝〇龍シリーズを伝統のある四股名にしてほしいですね。
番付予想
幕内上位編
ここ数場所は上位が大渋滞でした。今回も三役渋滞は相変わらずですが、これまでとは少し様子が違います。三役勢が揃って活躍したために、前頭上位が軒並み負け越し、意外にも甘い番付となりそうな予感がします。三役の枠を予想するのは難しいですが、正代は9勝なら東へスライド(以前、北勝富士がこのパターンで据え置きの憂き目に遭っています)、10勝に乗せれば昇進と予想していたので、ここは小結に組み込みました。
霧馬山 関脇 豊昇龍
大栄翔 関脇 若元春
琴ノ若 小結 若隆景
正代 小結
阿炎 前1 翠富士
高安 前2 遠藤
翔猿 前3 宇良
錦富士 前4 錦木
幕内ー十両入れ替え編
千秋楽に水戸龍と剣翔が揃って勝ったため、ほぼ確実の分かりやすい結果になりました。湘南乃海と豪ノ山は新入幕まであと一歩です。
↑ 朝乃山、水戸龍
↓ 武将山、東龍
十両ー幕下入れ替え編
大幅な入れ替えとなりそうです。上がってくる星はさほど強くありませんが、流石に2枚足りない星だと残せないと思います。千代の海は5枚目4勝とギリギリの星なので、6枚目6勝の紫雷が優先される可能性もありますが、5枚目優先の原則は強く守られているので、千代の海有利と予想しました。
↑ 千代栄、藤青雲、時疾風、川副、千代の海
↓ 徳勝龍、栃武蔵、荒篤山、志摩の海、對馬洋