化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

出雲駅伝2023感想

 駒澤大学がただひたすらに強い出雲駅伝でした。勝負は実質1区で決しました。ライバルと目されたチームが軒並み出遅れ、駒澤大学は早々に独走態勢。波乱もまた1区だけで後は淡々と進んだ印象でした。

 関東以外のチームには厳しい結果でした。今年は箱根駅伝予選会があるので、そちらに力を注いだチームもあったようですが、それにしても寂しい結果です。10年前まではここまでの大差ではなかっただけに、急速に格差が広がってしまった印象です。昔は強い留学生がいた第一工業大学なども、今はあまり良い留学生は加入しないようになってしまいましたね。

 珍しく、区間新の出ない大会でもありました。タイム的には決して悪くないのですが、最近ではあまり見かけませんね。

 

10位までの感想

1位(予想順位2位) 駒澤大学 2:07:51

MVP:篠原倖太朗 1区1位 大逃げ成功。早くも勝負あり。

 全く危なげのない優勝でした。順調に滑り出し、徐々に差を広げ、最後まで積極性を失わない。理想の展開だったのではないでしょうか。2年連続三冠は難しい目標ですが、まずは挑戦権を得ることができました。

 

2位(予想順位7位) 創価大学 2:09:34(1:43)

敢闘賞:吉田響 5区1位 チームは変わっても強かった。

 留学生カミナで順位を上げるまでは想定通りの展開。そこからの2区間でかなり頑張りました。東海大学から異例の転入をしてきた吉田響が完全復活。強力な主力が加わり、これはこの後の全日本、箱根でも期待できそうです。

 

3位(予想順位8位) 城西大学 2:10:35(2:44)

敢闘賞:ヴィクター=キムタイ 3区1位 1人で流れを変えた。

 こちらも留学生で上げることが予想されていたチームですが、想定以上のジャンプアップを見せました。やはり順位を上げられる選手がいると、駅伝は流れそのものが変わります。

 

4位(予想順位4位) 國學院大學 2:11:07(3:16)

敢闘賞:平林清澄 6区4位 アンカー区間で順位を上げる。

 やはりなぜか出雲に強い國學院大學。そこまで目立った選手がいる訳ではありませんが、全員が平均以上の力を持っています。今年も台風の目となりそうなチームです。そろそろ、2つめのタイトルが欲しいですね。

 

5位(予想順位3位) 青山学院大学 2:11:28(3:37)

敢闘賞:黒田朝日 2区2位 悪い流れを断ち切る。

 不完全燃焼気味だった青山学院大学。元々我慢の年だった今シーズン。直近の結果で期待値が跳ね上がっていましたが、実際にはそこまで甘いものではありませんでした。とはいえ、区間賞2つと勝てる選手はまだ揃っています。全日本でリベンジはなるのでしょうか。

 

6位(予想順位5位) 早稲田大学 2:11:36(3:45)

敢闘賞:山口智規 2区3位 ここまでは良い流れだった。

 良くも悪くも、予想的中。駅伝は先行逃げ切りが有利とされるとはいえ、強い選手を固めすぎるのは、あまり良くないようです。頼みの3区石塚がやや不調気味で、その後は上位争いに絡めませんでした。

 

7位(予想順位2位) 中央大学 2:12:17(4:26)

敢闘賞:湯浅仁 6区2位 エース区間でしっかり結果を残す。

 中央大学にとっては、散々な出雲駅伝でした。レース前は優勝候補筆頭に挙げられる存在でしたが、吉居欠場で不穏な空気に。1区から出遅れ早々に厳しくなると、下の順位では下の順位なりのタイムでしか走れなくなる駅伝の難しさに嵌り、ずっと追いかける展開で推移しました。吉居弟ですら区間11位に沈んでしまい、駒澤大学とは1度も勝負の場面が訪れませんでした。その中でラスト2区間で順位を上げた溜池と湯浅は、相当な力の持ち主と言えるでしょう。

 

8位(予想順位10位) 東洋大学 2:12:35(4:44)

敢闘賞:緒方澪那斗 1区6位 ここの好走が今回唯一の収穫?

 ずっと地味な位置でのレース。柏原入学以前の東洋大学に戻ったという見方もできるかも知れません。誰もブレーキをしない安定感を持っている一方で、順位を大きく上げられる選手もいません。想定通りに走ればある程度の順位に入れますが、稼げる選手がいないと1つのミスで取り返しのつかない状況に陥る危険性をはらんでいます。今回は故障明けだった松山、高校時代の輝きを取り戻したい石田、あるいは新たな期待の星。上昇気流に乗るにはそういったプラスアルファが必要そうです。

 

9位(予想順位11位) 法政大学 2:13:44(5:53)

敢闘賞:安澤駿空 4区8位 6人中5人が区間9位という珍事の中で区間8位

 東洋大学と似たような状況。これまで幾度となくこの安定感で、低い前評判からシード獲得などを繰り返してきました。流石に距離の短い出雲ではどうにもなりませんでしたが、距離が長くなる箱根では真価を発揮するのではないでしょうか。(全日本は予選落ち)

 

10位(予想順位9位) 順天堂大学 2:14:27(6:36)

敢闘賞:浅井皓貴 3区6位 主要区間で意地の3人抜き

 主力が卒業、さらに三浦が欠場と厳しい状況の中、手探りのレースとなりました。期待の吉岡が区間11位となり、早々に厳しい状況に追い込まれ、一度は追い上げるも再び突き放される形に。我慢の年となりそうですが、1年生は鳴り物入りでの入学が多く、黄金世代となる可能性を秘めています。今年をしのげば、反転攻勢となるでしょう。

 

 

関東勢以外で区間1桁だった選手

ヒューゴ=ミルナー アイビーリーグ選抜 1区2位

 駒澤優勝の陰の立役者ではないでしょうか。いきなり高速レースに持ち込んだことで、付いていける駒澤だけが残る形となりました。チームとしては、彼以外は目立ちませんでしたね。観光目的で来日して、地元のお祭りに参加するような形で出雲駅伝に来ているので、仕方ないです。ただ、もし本気で全員が走ればどれくらいやれるのかは気になります。

 

亀田仁一路 関西大学 1区8位

 立命館大学など有力チームが箱根駅伝予選会を優先する中で、数少ない区間上位に入りました。全日本でもどこまでやれるか楽しみです。

 

松林直亮 北信越学連選抜(信州大学) 3区9位

 隠れた好走。北信越はそれほど強いイメージが無かったので、かなり驚きました。今回は吉居弟よりも速かったですね。

 

 

大阪経済大学の棄権

 他の駅伝では恒例となっている繰り上げスタートですが、出雲駅伝には時間が設定されていないため、襷を繋げずに走者が出発するのはなかなか見かけない光景です。規定が無いので、おおよその時間で出発することになっていたようですね。6年ぶりのことでした。

 棄権となった1区の新は、途中までは上位集団にいて目立っていたにも関わらず、中継所で突然姿が見えなくなりました。その時点で不穏な空気が流れましたが、やはり競争中止となってしまったようです。

 この大阪経済大学出雲駅伝組と箱根駅伝予選会組で完全にメンバーを分けていたそうです。半分の戦力ながら、2区以降は地方勢の中では上位で走っていました。1区途中まで関東勢に付いていたことを踏まえても、意外とこの後に期待できるチームかも知れません。