化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

復路優勝は地味

 青山学院に連覇を阻まれた東海大学ですが、復路優勝をもぎ取りました。ところが、これに触れている人は少ないと思います。

 去年、一昨年と東洋大学が往路優勝をしていた時は話題になったのに、なぜか復路優勝は語られない印象がありますね。

 総合優勝が圧倒的に価値があるのは言うまでもないですが、同格のはずの往路優勝と復路優勝とでどうしてこんなにも扱いに差があるのでしょう。

 

 一番大きいのは見た目で先頭に居るかどうかの違いでしょうね。往路優勝をしたチームは、当然その時点での総合1位でもあります。トップでゴールテープを切れば、それだけ優勝した感が出ますから。

 一方で復路優勝は、実際には往路との合計タイムで走っているので、今現在どこが1位なのかは計算しなければ分かりません。先頭を追い抜いていないのに復路1位という事もあるので、そこが熱くなりきれない理由でしょうね。

 

 もう1つ、往路優勝のほうはゴール後半日の間は日本一でいられるという点もあると思います。やっぱり総合優勝に沸いている横で復路優勝を祝うのはちょっとやりにくいですよね。優勝が厳しいチームの激しい追い上げであれば嬉しい気持ちになるでしょうが、競い負けての2位などだと、素直に喜べません。

 往路優勝はその時点で一番総合優勝に近いチームですが、復路優勝はもう結果が決まってしまっていますからね。

 

 また、単純に総合優勝したチームが復路優勝していた場合、わざわざ別個で祝わないという事情もあるでしょう。往路優勝はその時点で一旦祝うので、総合優勝との両祝いができますからね。

 

 そんな地味な復路優勝ですが、注目してみると健闘したチームなどが見えてきてなかなか面白いものがあります。

 往路優勝と復路優勝が別の年であれば逆転優勝の場合もあります。2010駒澤や去年の青山学院のように、まさかの失速をした優勝候補が怒濤の追い上げをするのも熱い展開です。2006法政は放送でも全く触れられていなかった中、終わってみればの復路優勝で驚きました。

 あえて注目されないものに注目してみる。それによって新たな楽しみ方を見つけられるかも知れませんね。

 

ここ最近の復路優勝

2000 駒澤   往路1位 総合1位

2001 順天堂  往路2位 総合1位

2002 駒澤   往路2位 総合1位

2003 駒澤   往路2位 総合1位

2004 駒澤   往路1位 総合1位

2005 駒澤   往路2位 総合1位

2006 法政   往路15位 総合7位

2007 順天堂  往路1位 総合1位

2008 駒澤   往路2位 総合1位

2009 東洋   往路1位 総合1位

2010 駒澤   往路8位 総合2位

2011 早稲田  往路2位 総合1位

2012 東洋   往路1位 総合1位

2013 駒澤   往路9位 総合3位

2014 東洋   往路1位 総合1位

2015 青山学院 往路1位 総合1位

2016 青山学院 往路1位 総合1位

2017 青山学院 往路2位 総合1位

2018 青山学院 往路2位 総合1位

2019 青山学院 往路6位 総合2位

2020 東海   往路4位 総合2位

 

 こうしてみると、復路優勝=総合優勝が多いですね。往路重視と呼ばれる昨今ですが、本当に強いチームは復路にも強い選手を置けるということでしょうか。

96回箱根駅伝順位予想

 今年もまたこの季節がやって来ました。

 連覇が終わった次の年というのは、なかなか読むのが難しい傾向がありますからね。どんなニューヒーロー達が出てくるのかも楽しみです。

 

予想はよそうと思ったけれど

 

本命(1番人気)

東海大学 前回1位 出雲4位 全日本1位

 戦国駅伝、本命不在、などと呼ばれている今回の駅伝ですが、実際には東海1強なのではないかと思っています。持ちタイムには圧倒的なものがあり、何より黄金世代の集大成ですから。総合新記録すら狙えるのではないかと踏んでいます。

 一つ心配なのは、東海大学はこれまでその真価を発揮できない時期が多かった事でしょうか。前回の優勝で本当にその弱さを払拭できたのかどうか。

 特に主力が抜ける来年以降、強さを維持できるかどうかは今年ちゃんと連覇できるかどうかにかかっているでしょう。

 本当に強いチームは選手層が厚いです。走る人数の多い箱根駅伝では特に顕著に表れます。今回の東海大学は關など主力数名がメンバーから漏れましたが、これまでの東海大学であれば代わりを務められる選手がおらず、無理に起用して凡走・ブレーキになっていたかも知れません。そこを取って代われる選手がいるのは、今の東海大学の強みでしょう。

 ぶっちぎりの大独走の可能性も4~5位に沈む可能性もありそうですが、やはり可能性として一番高いのは東海大学だと予想します。

 

対抗(2番人気)

駒澤大学 前回4位 出雲2位 全日本3位

 平成の常勝軍団として名を馳せ、全日本では圧倒的な力を示していた駒澤大学。それでも、前回王者で優勝本命と目されながらまさかのシード落ちをした85回以来、箱根の優勝には手が届いていません。チャンスは何度もありました。特に89回~91回は誰もが優勝と思いながらも、脇から捲られてしまいました。一時は下位に低迷し、苦労もしました。そんな駒澤大学に再びチャンスが巡ります。

 ハーフの持ちタイムでは東海に次ぐものを持ち、出雲・全日本では最後まで優勝を争いました。強い選手が続々と入部し、舞台は整っています。

 駒澤が優勝するためには、まず絶対に出遅れない事。これまで駒澤大学は何度も往路の出遅れに泣かされてきました。今年は往路重視といっても油断はできません。今の箱根駅伝で優勝するためには好走どころか区間新級の走りが求められます。その壁を打ち破った時、おのずと栄冠は見えてくるはずです。

 

単穴(ダークホース期待)

國學院大学 前回7位 出雲1位 全日本7位

 ここは青山学院でも東洋でもなく、國學院を選びました。出雲での優勝は大金星と言って差し支えありません。レース運び的にも一番盛り上がりましたね。

 全日本ではそこまでの力を見せられなかったため、まだ長い距離は厳しいかとの見方をされています。しかし國學院は山に絶対の自信を持っています。肝心の浦野は今季絶好調。当日のコンディションによってはとんでもないタイムを叩き出すかも知れません。

 箱根駅伝において山は全レースの半分を占めていると言っても過言ではありません。全くの下位に沈むと思われたチームでも、山さえ良ければシード圏内に入ってきます。戦力が充実している今、山での快走を見せれば。あるいは優勝も2文字も見えてくるでしょう。

 平地の戦力の方も、7位に終わった全日本で区間新を2つ記録していたなど、まだ上がり目がありそうに思えます。

 寺田コースアウトの年に初シードを取って9年、今の國學院の雰囲気は初優勝した年の東洋や青学、予選会からの優勝を果たした日体大。それによく似ています。

 

連下(上位安定)

青山学院大学 前回2位 出雲5位 全日本2位

東洋大学   前回3位 出雲3位 全日本5位

帝京大学   前回5位 出雲7位 全日本8位

 

 連覇が止まり正念場の青山学院ですが、今年も強い。主力がごっそり抜けて心配された今季でしたが、一番伸びたのは間違い無く青山学院でしょう。ただ、長ければ長い程真価を発揮してきたこれまでの青山学院とは逆で、今はやや長い距離に不安が残ります。

 毎年のように優勝候補に挙げられるのは東洋大学。かつてこれほど長期に渡って強さを維持したチームがあったでしょうか。相澤が立派にエースとして独り立ちしたのも大きいですね。東洋大学といえば役者揃いのイメージですから。ただ、チーム全体としては2年前に思っていたほど伸びてこなかった印象です。毎度1~2枚だけ足りない戦力。しかし東洋大学は時として地力以上の活躍を見せます。劣勢を跳ね返して、気が付けば東洋。これこそが必勝パターンです。

 帝京大学はあまり評判は高くないように思えます。全日本でも前半の出遅れで早々に終戦してしまいました。しかしながら、ハーフの持ちタイムでは東海駒澤に匹敵する程の実力があります。かつて全くノーマークの亜細亜大学が優勝した時もそうでしたが、ハーフの速いチームには不気味さがあります。

 

大穴(期待値は低いが爆発力あり) 早稲田大学 前回12位 予選会9位 全日本6位

 黄金世代入部と目されてからのまさかの低迷、そして全日本でやや調子が上向いたに思われた早稲田大学。予選会もギリギリの通過で全く注目されていませんが、元々は鳴り物入りで入部してきた選手達。持ちタイム自体は順調に育ってきており、本来の力はもっと上なのではと思われます。全日本から結果が出始めた事から、箱根駅伝でピッタリコンディションがかち合えばあるいは、との予想です。

 

21連単

1 東海大学

2 駒澤大学

3 國學院大学

4 青山学院大学

5 東洋大学

6 帝京大学

7 法政大学

8 東京国際大学

9 明治大学

10 順天堂大学

11 中央学院大学

12 早稲田大学

13 神奈川大学

14 拓殖大学

15 日本体育大学

16 創価大学

17 中央大学

18 日本大学

19 関東学生連合

20 国士舘大学

21 筑波大学

 

選考レースと同時開催されるオープン大会 こんなところにこんな選手が!

 明日はさいたま国際マラソンが開催される日です。

 言わずと知れた女子マラソンの一大記録会で、MGCファイナルチャレンジの対象レースともなっています。

 男子と比べると比較的易しいタイム設定ですが、それでも高いハードルには変わりありません。

 

 限り無く可能性は少ないけれど、0じゃない。

 

 なんだか、夢が膨らむ言葉だと思いませんか。

 

 実はこのマラソン、男子ランナーも走る事ができます。

 しかしながら、一流男子ランナーにとっての大会規模としては大きくなく、よくある市民マラソンの1つに過ぎません。

 男女共同開催にも関わらず、それぞれの扱いが異なるどこか歪なレースになっています。

 男女の立場こそ逆ですが、東京マラソンも似たような扱いですね。男子ランナーにとっては選考レースですが、女子にとっては先がどこにも繋がっていない袋小路の大会です。

 

 さいたま国際マラソンは、それ故に明日のテレビ放送でもほとんど女子しか映らないことでしょう。

 女子の優勝者や日本人トップの選手は毎年大きく報じられます。明日の招待選手として選ばれている吉田香織選手も、2015年に2位と表彰台に上がっていました。

 一方で男子の優勝者はなかなか耳にしません。実際にどんなランナーが優勝しているのかを見てみれば、思いの外面白い名前が並んでいます。

 

2015 児玉雄介 2:18:50

2016 石原洸  2:25:34

2017 川内優輝 2:15:53

2018 井上直紀 2:20:03

 

 多くの有力選手が集まる選考レースと比べるとタイムは伸びていませんが、知名度のある川内選手の名前がここにありました。本当にこの人は、どのマラソンを覗いてみても名前を目にします。

 その他にも、児玉選手は拓殖大学で、石原選手は神奈川大学で、箱根駅伝に出場していたランナーですし、井上選手は知る人ぞ知る「大会荒らし」の選手。(市民マラソンで1位川内、2位井上の並びは数え切れない程ありました)井上選手の何が凄いって、一流ランナーでもできる選手が限られている30キロ以降にペースが落ちない走りをするんですよね。さらには千葉優や坂口広大といった駅伝ファンにとっては懐かしい選手達も出場しています。

 と、どの選手もガチ勢です。数こそ少ないですが、ちゃんと男子にも有力選手が出場していました。

 

 どうしても選考レースとしての大会規模に注目が集まりがちですが、こんなところでこんな名前がと意外性を発見するのも、1つの楽しみ方ではないでしょうか。

 

令和元年九州場所感想 待てど暮らせど世代交代は遠く

 今年も全ての本場所が終了しました。いよいよ本格的に荒れ出したと感じた昨年から、ますます混迷が深くなった今年でしたね。

 

 神EDことthe千秋楽稀勢の里の引退が映り、あれはまだ今年の事だったのかと驚いたものです。そういえば、ここ最近はずっと音声無しBGMのみのEDでしたが有りに戻ったのですかね。

 稀勢の里だけでなく、豪風安美錦嘉風と人気力士の引退も多い1年でした。贔屓力士の大喜鵬も引退してしまい、とにかく寂しい思いです。

 

 場所前に大穴狙い幕内最高優勝予想として挙げていた友風はあんな事になってしまいました。竜電あたりがフォローしてくれないかな。彼に限らず、ピンポイントで勢いのある若手が次々と長期離脱をしていく印象です。本当に何とかならないものですかね。

 

 今場所は塩場所でしたが、それはまだ良いとしましょう。優勝争いが盛り上がらなくても、応援している力士に一喜一憂できれば、それはそれで楽しいですから。以前にも白鵬が独走して平幕1人だけが何とか追っていく場所がありましたが、その時に追っていたのが贔屓の碧山だったので、あの場所は私にとっては楽しかったです。

 しかしどういう訳だか、贔屓関取が揃いも揃って負け越してしまいました。しかも淡々と負けていくんです! 絶対に呪われていると思います! 悲しすぎて、今場所はあまり楽しめませんでした。

 

 先場所、これからの主役を決する戦いにすら思えたあの気持ちはどこへ行ってしまったのでしょう。貴景勝はここ数場所とうって変わって影が薄いままでした。御嶽海は大関どころか連続三役在位すら途切れてしまいそうです。

 主役といえば、高安が優勝するよりも陥落のほうが早いとも思っていませんでしたね。同じく今の上位を固める力士を全員揃えたかのような4小結はみんな頑張りましたが。上への期待はもう一段階の覚醒が必要ですね。あと一歩の力士は多いですが、その一歩に届く力士は滅多にいるものではありません。

 

 思い起こせばもはや遥か昔、2012年頃には盤石だった白鵬に陰りが見え始め、大関は過去最多の6大関に。久方振りの平幕優勝に、新横綱の登場。翌年には遠藤・大砂嵐・照ノ富士逸ノ城とニューヒーローが続々出現し、いよいよ時代が動くかと思われていました。

 ところがすぐにでも大関になると思われた栃煌山妙義龍隠岐の海は、いつまで経っても候補のまま。

 数年後、とうとう化け物が現れたと感じたのは照ノ富士でしたが、故障で大幅に指針が狂いました。

 琴奨菊の10年ぶり日本出身力士優勝からというもの、これまで賜杯に手の届かなかった力士にもチャンスが回り、確かに時代は動き始めました。ところが今度は動くばかりで定まる気配がありません。

 稀勢の里が悲願の優勝そして綱に届き、高安も大関昇進を果たした時点で田子ノ浦の天下がやって来ると見せかけて、あっという間に崩壊。

 そして栃ノ心優勝以降、完全なる戦国時代に突入しました。

 

 新たな期待の星が現れては流れ星として去って行く。何度これを繰り返したことでしょう。これまでにも相撲界には度々過渡期が訪れていましたが、ここまで長期間続いた事はありません。統計的にそろそろ次の時代の形が見えてくるはずと思いながらも、これもまた長くなってきました。

 朝青龍全盛期頃の人気低迷時代から八百長問題前後へかけての人手不足が今になって深刻化してきたのかも知れません。

 

 御嶽海もこのまま妙義龍コースに終わるのでしょうか。その妙義龍がここに来てプチ復活しているのも面白いですが。2018年初頭に、大関候補として三人の力士がインタビューを受けました。その時のコメントは

 

御嶽海「上がりたいというより、今年中にもう上がっちゃうんだろうなって。」

嘉風「みんな無理だと言うけれども、僕は本気。」

正代「現状維持で。」

 

 三者三様、性格の現れた面白いインタビューでしたが、あれから2年。本人も上がる事を信じてやまなかった大関には未だ手が届いていません。嘉風は道半ばで土俵に別れを告げる事になりました。正代は本人の言う通り現状維持だったでしょうか。

 

 ここ半年で一気に力を付けた朝乃山だって安心はできません。時間を掛けすぎれば、それだけ大関の座は霞んでいきます。勝負はもう来年中でしょう。

 来年中という意味では、貴景勝にも同じ事が言えるかと思います。押し相撲では横綱は無理との論調が多数を占めていますが、今の上位空白時代のうちに上がりきってしまえば可能性はあると思うのですよね。

 

 the千秋楽のラスト。白鵬をバックに壁を越えるのはの文字。今の土俵を見事に表現していると言えるでしょう。

 今の三役常連の中から誰かが超えていくのか。それとも、十両から幕下上位に大挙して押し寄せている二世三世力士を中心とした次の黄金世代を待つことになるのか。相撲界の明日は、どちらでしょう。来年の締めくくり、ここで何を書くことになるでしょうか。

 

全区間最下位からのスタート

 先の全日本大学駅伝にて、とある珍記録が生まれました。

 元は駅伝後に感想を書きたかったのですが、随分と遅くなってしまったのでこの事だけ記しておきたいと思います。

 

 その記録とは、区間区間最下位です。

 今回、久々の登場となった東北福祉大学。部員わずか12人ということで話題にもなりましたね。

 話題性があるということで人気もありましたが、残念ながら結果は厳しいものとなりました。1区早々に大きく出遅れると、その後はブービー争いをする事すらできずに最後まで最下位を独走。繰り上げスタートも当然一番先に喰らい、後半は駅伝でありながら単独のレースとなりました。

 

 ここ15年の歴代最下位チームの区間順位はといえば

 

2004 札幌学院大学 24-25-24-25-22-18-21-24

2005 札幌学院大学 23-23-25-25-24-25-22-25

2006 札幌学院大学 26-26-26-26-25-24-26-22

2007 広島大学   22-26-24-25-25-22-26-26

2008 信州大学   22-23-17-25-24-26-18-26

2009 広島大学   23-26-26-26-26-25-19-25

2010 広島大学   18-25-24-26-23-26-25-26

2011 北海道大学  27-27-27-27-27-27-25-26

2012 東北福祉大学 20-18-23-20-21-26-26-26

2013 札幌学院大学 22-25-26-25-25-26-26-23

2014 札幌学院大学 26-26-26-25-26-22-26-26

2015 札幌学院大学 24-26-27-26-27-27-27-27

2016 北海道教育大学26-24-27-25-27-27-24-25

2017 新潟大学   25-27-26-27-27-26-25-24

2018 東北大学   23-26-27-26-27-27-25-23

2019 東北福祉大学 27-27-27-27-27-27-27-27

 

 と多少ですが順位争いはできていました。2番目に悪いと思える2011年の北海道大学も、2区間区間最下位を免れています。

 負の記録を残した東北福祉大学ですが、それも出場したからこそ得られたもの。

 少人数での活躍もドラマですが、全区間最下位からの逆襲も良いストーリーじゃないですか。来年以降、どうなっていくのか。まずは2年連続の出場を目指したいところです。

黒人が速いというのは偏見

 これは駅伝を舞台にした名作、「風が強く吹いている」の登場人物である留学生ランナーの台詞です。

 確かに人種全体の傾向としてフィジカルに優れているとはいえ、鍛えなきゃ意味はないですし、普段我々が出会うアフリカ系の人物の中で足が速い人の割合は日本人と変わらないはずです。

 しかしながら、駅伝で見掛ける黒人ランナーのほとんどは、その実力をかわれて日本に来ている訳ですから、この点において黒人=速いのイメージは間違いとはいえないと思います。

 

 駅伝で紹介される持ちタイム、あるいはマラソンでの自己ベスト。レース前になると確認したくなるものですが、時にはおや? となる程数字の振るわない黒人ランナーがいます。どうにも浮いた存在に思えて、気になってしまいます。

 

 その選手が実はとんでもない実力を隠し持っていて一気に走ってしまう様子、もしくは結局額面通りで途中から全く映らなくなってしまう様子。どちらであっても、一喜一憂することになります。

 

 この気持ちはただの判官贔屓でしょう。見た目だけでハードルが上がるのはちょっと可哀想ですがね。競技は違いますが、少年野球をしていた芸人のアントニーさんは打席に入る度に後退シフトを敷かれていたそうですね。

 

 見かけ倒しの選手はあえて応援したくなるロマンがありますし、それがいつか見た目通りの強さを手にすれば、1つのドラマになります。だから私は時折そんな選手を見つけては応援するのです。

 

 関東勢にとってはこれから箱根駅伝がありますが、その他の地域にとってはひとまず今シーズンの全国大会は終了した事になります。そんな中、私が個人的に気になった選手が一人。

 

 第一工業大学アニーダ・サレー選手です。この選手の今シーズン成績は以下の通りでした。

 

出雲駅伝    1区 区間16位

全日本大学駅伝 4区 区間20位 1人抜き

 

 第一工業大学といえば、山梨学院、日大と並ぶ留学生ランナーの名門大学です。これまでに何人もの留学生ランナーが出走してきました。当然、最低でもエース級の活躍を。あわよくば飛び道具級の活躍を求められてきました。

 時には寒さに弱いなどの理由で凡走してしまうランナーもいますが、それでも大抵の場合には同じチームの日本人と比べると格の違う走りを見せている事がほとんどです。

 一応でいえば全日本大学駅伝ではチーム内で最も区間順位が高かったですが、さすがに区間20位では目立つ事はできません。

 ロードへの適応が上手くいかずにブレーキとなったのでしょうか。それとも、元々の走力なのでしょうか。

 予選会での10000メートルタイムを見てみると、30:01。速くはなく留学生らしい留学生ではないですが、区間20位になるほど遅くもないという微妙なラインでした。

 

 現状では、ごぼう抜きは難しく日本人と同様の走りが求められる選手です。

 同じ持ちタイムの日本人がいればそこまで目立たない選手ですが、留学生というだけで受ける印象は変わってきます。それでも留学生だったからこうして選手の面白さに気がつけたのかも知れません。

 今後、このままなのか、それとも覚醒するのか。これからの活躍に注目していきたいですね。

大穴狙い幕内最高優勝予想 令和元年九州場所編

 今年最後の場所がいよいよ始まろうとしています。張出はお得感があってなんだか好きですが、今場所はなんと4小結になりました。

 なってほしいなと思いつつも、ならないだろうと思っていたので、これは驚きのサプライズです。

 御嶽海の関脇ロックもそろそろ解放して貰わないと困りますね。

 

 ところで、逸ノ城休場の一報が届きました。下位に落ちた逸ノ城ならもはや敵なし、これは大穴といわず大本命なのではと思っていましたが、予想外に重症だったようですね。

 ますます優勝争いが混迷する中、嘘から出た真があるかも知れません。

 

 

大穴狙い幕内最高優勝予想友風

 これまで順調すぎるほど順調に出世街道を歩いてきた友風。上位を伺う勢力にそろそろ割って入りそうな勢いを感じます。引きはたきが多いと指摘されていますが、上位に通用するほどの引き技であれば、それはもう立派な長所ではないでしょうか。

 場所前の稽古では白鵬に一発KOされていましたが、結果は1勝8敗。この1勝というのが重要で、圧倒された時には全敗で終えている力士が多いのですよね。そこを密かに1つ白星を拾っているしたたかさこそが、上位に通用する強さです。

 先場所、初めて負け越しを経験しました。これまで勝ち進んできた力士が一度負け越した途端に魔法が解けたかのように弱体化してしまう事も多いですが、これを機に奮起してさらに強くなる力士もいます。最近では、朝乃山などがそうですね。

 豪風嘉風が引退し、矢後と共に部屋を盛り上げる事を誓い合ったそうです。良い話じゃないですか。

 

 その力の割に他の有力力士と比べると扱いが小さい友風ですが、ここで一つ主役を奪う事を期待しましょう。

 

 

その他B級注目ポイント

東前頭15枚目 大翔丸

 当ブログイチオシの? 地味力士、大翔丸。一時期は本人も声援が小さい事を気にしていて可哀想でしたが、十両にいる間にほんの僅かにですが声援が増えてきました。今場所、満を持して幕内復帰。一度敢闘賞でも取れば一気に扱いも変わると思いますから、ぜひ目指してほしいですね。

 

東幕下5枚目 千代ノ皇

 十両の番人の代表格だった千代ノ皇ですが、幕下も丸1年。先場所はあと1勝というところで関取の座がすり抜けていきました。旭日松などもそうでしたが、十両の番人が一度幕下に下がると、その後全く復帰できない事が多いです。さらには、転落から1年以内に復帰できないと復帰率が著しく下がるというデータもあります。そして今場所の地位は有利な幕下5枚目以内ギリギリ。まさに土俵際にいると言って良いでしょう。

 関取復帰を決めて気持ち良く新年を迎えるか、それともこのまま過去の力士となってしまうのか。同部屋の千代鳳は三段目まで落ちながら、こちらも今場所関取復帰のチャンスです。同じく十両の番人と言われた剣翔は覚醒し、幕内でも活躍しています。この流れに乗りたいところですね。

 

西幕下15枚目 豊響

 土俵際といえばこの人も。これまで懸命に怪我からの復帰を目指してきましたが、今場所は一場所での復帰が叶う地位の一番下。再び15枚目圏内から外れれば、関取の夢は遥か遠くへ行ってしまいます。豊ノ島は幕内でバリバリやっていた力士が落ちたパターンでしたが、こちらは故障前から十両に何とか残っているという様相だったので、さらに厳しい状況に置かれています。

 それでも、これまで引退をせずに続けてきたのには並々ならぬ思いがあるはずです。一人の夢が叶えば一人の夢が散る世界ですが、奇跡を信じてみるのもまた一つの醍醐味でしょう。