青山学院に連覇を阻まれた東海大学ですが、復路優勝をもぎ取りました。ところが、これに触れている人は少ないと思います。
去年、一昨年と東洋大学が往路優勝をしていた時は話題になったのに、なぜか復路優勝は語られない印象がありますね。
総合優勝が圧倒的に価値があるのは言うまでもないですが、同格のはずの往路優勝と復路優勝とでどうしてこんなにも扱いに差があるのでしょう。
一番大きいのは見た目で先頭に居るかどうかの違いでしょうね。往路優勝をしたチームは、当然その時点での総合1位でもあります。トップでゴールテープを切れば、それだけ優勝した感が出ますから。
一方で復路優勝は、実際には往路との合計タイムで走っているので、今現在どこが1位なのかは計算しなければ分かりません。先頭を追い抜いていないのに復路1位という事もあるので、そこが熱くなりきれない理由でしょうね。
もう1つ、往路優勝のほうはゴール後半日の間は日本一でいられるという点もあると思います。やっぱり総合優勝に沸いている横で復路優勝を祝うのはちょっとやりにくいですよね。優勝が厳しいチームの激しい追い上げであれば嬉しい気持ちになるでしょうが、競い負けての2位などだと、素直に喜べません。
往路優勝はその時点で一番総合優勝に近いチームですが、復路優勝はもう結果が決まってしまっていますからね。
また、単純に総合優勝したチームが復路優勝していた場合、わざわざ別個で祝わないという事情もあるでしょう。往路優勝はその時点で一旦祝うので、総合優勝との両祝いができますからね。
そんな地味な復路優勝ですが、注目してみると健闘したチームなどが見えてきてなかなか面白いものがあります。
往路優勝と復路優勝が別の年であれば逆転優勝の場合もあります。2010駒澤や去年の青山学院のように、まさかの失速をした優勝候補が怒濤の追い上げをするのも熱い展開です。2006法政は放送でも全く触れられていなかった中、終わってみればの復路優勝で驚きました。
あえて注目されないものに注目してみる。それによって新たな楽しみ方を見つけられるかも知れませんね。
ここ最近の復路優勝
2000 駒澤 往路1位 総合1位
2001 順天堂 往路2位 総合1位
2002 駒澤 往路2位 総合1位
2003 駒澤 往路2位 総合1位
2004 駒澤 往路1位 総合1位
2005 駒澤 往路2位 総合1位
2006 法政 往路15位 総合7位
2007 順天堂 往路1位 総合1位
2008 駒澤 往路2位 総合1位
2009 東洋 往路1位 総合1位
2010 駒澤 往路8位 総合2位
2011 早稲田 往路2位 総合1位
2012 東洋 往路1位 総合1位
2013 駒澤 往路9位 総合3位
2014 東洋 往路1位 総合1位
2015 青山学院 往路1位 総合1位
2016 青山学院 往路1位 総合1位
2017 青山学院 往路2位 総合1位
2018 青山学院 往路2位 総合1位
2019 青山学院 往路6位 総合2位
2020 東海 往路4位 総合2位
こうしてみると、復路優勝=総合優勝が多いですね。往路重視と呼ばれる昨今ですが、本当に強いチームは復路にも強い選手を置けるということでしょうか。