化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

大相撲令和3年九州場所感想&初場所番付予想 次に照ノ富士が狙うのは

 名実共に一人横綱となった照ノ富士の優勝。本格的に照ノ富士時代の幕開けとなりそうです。あれだけの故障をしてここまで強いので、怪我が無ければ大横綱になるような力士になっていたのかもと思ってしまいます。

 内容もここまでの何とか逃げ切る優勝ではなく、強さを見せつけての高いレベルの優勝です。絶体絶命の場面からでも逆転できるのは強い横綱の証ですね。

 全勝優勝も果たし、一通りの目標を達成した感があります。インタビューでも次の目標を聞かれて困っていました。ここから先は見えない目標へ向かって勝ち続けるだけでしょう。あるとすれば、連勝記録でしょうか。強豪の証ともいえる30連勝以上を目指してほしいですね。

 本命がいる中で、周囲の力士も今場所はしっかりとついていき、ここ最近では一番レベルの高い場所になったのではないでしょうか。中日まで横綱が全勝、大関が追走し、ダークホースも頑張る。昔ながらの好角家が理想と言いながらも、滅多に見られない展開になりました。最後にはこぼれ落ちましたが、あと1番多く勝てばさらにハイレベルな争いが見られる時代になりそうです。

 

 

 

場所前に注目した力士たち

西幕下筆頭 琴裕将

 千秋楽には敗れましたが、周囲の状況を考えれば、ついに念願の新十両に手が届きそうです。遅咲きですが、勢いがあります。このまま幕内まで一気に行ってしまうかも知れません。

 

西幕下9枚目 琴太豪

 今場所も何とか勝ち越し。しかし、1点の勝ち越しだとなかなか上がれないまま、また1度の大負けで振り出しに戻ってしまう可能性があります。来場所何とか5勝以上したいところです。

 

 

 

令和4年初場所番付予想

幕内上位

照ノ富士 横綱

 貴景勝 大関 正代

 御嶽海 関脇 隆の勝

  明生 小結 大栄翔

 若隆景 前1 宇良

  遠藤 前2 玉鷲

 霧馬山 前3 逸ノ城

隠岐の海 前4 北勝富士

 阿武咲 前5 千代翔馬

 

 明生は今場所負け越しましたが、すっかり三役定着の様相です。たった1年でここまで強くなるとは、全く予想できませんでした。隆の勝や大栄翔といったところも、もはや三役常連です。

 宇良は自己最高位まで上がりそうですね。故障前の番付を超えて初めて復活だと思うので、とても楽しみです。

 遠藤はいつも千秋楽7-7から負け越していた印象ですが、今回は勝つことができました。

 来場所も粒ぞろいな上位陣になりそうです。ただし、粒ぞろいではあっても小粒な印象はあります。御嶽海以外にももう一歩抜け出して大関を目指す力士が出てきてほしいところです。その御嶽海は来場所繋ぐと言わずに一気に決めるくらいでないと、また三役在位だけが伸びそうです。

 

幕内ー十両

↑ 若元春剣翔一山本王鵬

↓ 朝乃山・松鳳山・輝・(白鵬

 

 魁聖と武将山と王鵬で2枠を争う形に。やや星数に差ができているので、このまま順当に決まるでしょうか。

 入門当初から注目を集めていた王鵬がいよいよ幕内の舞台へ。同期にやや先を越されてますが、それでもまだ21歳。大器を感じさせます。

 一方で永らくロマン枠として期待されていた輝が十両へ。結局長期の幕内在位の中で三賞は1度も獲得できず、金星は1つも挙げられず。ここ最近は随分と影が薄くなっていました。十両に落ちてから反転攻勢に出た力士も多くいます。ここで再び上昇気流に乗りたいところです。

 

十両ー幕下

↑ 北の若千代嵐琴裕将

↓ 北青鵬・旭秀鵬・旭大星・(白鵬

 

 上がる星の力士が他にいないので、矢後は何とか残留できそうですね。

 十両の番人だった旭の名を冠する2力士が陥落。十両の番人が幕下へ落ちるとなかなか帰って来られない事が多いだけに、来場所は正念場となりそうです。大きな期待を背負った北青鵬も出直しに。ほとんど土俵に立っていないので、真価が発揮されるのはまた次の機会でしょうか。

 一方で落ちる力士がいれば、当然上がる力士もいます。初場所で昇進濃厚の力士たちは全員ドラマ性のある力士なので楽しみです。

 北の若は言わずと知れた注目の力士。スピード出世ですが、これでもなお手こずった印象があります。身体能力で相撲をとるタイプなので、土俵を沸かせてくれそうです。平成最後の場所で初土俵を踏んだ北の若・吉井・當眞と三者三様の力士に注目していました。他2力士が苦戦しているだけに、大きな活躍を見せて欲しいです。

 琴裕将はこの1年で大化けしました。幕下中下位で停滞してしまうと抜け出せない力士が多い中で、期待の星となりそうです。

 芝はもう数え切れない程の大魚を逃し続けてきました。応援してもなかなかこういった力士は夢叶わずに辞めていくだけに、ハッピーエンドを迎えられた事に感激です。初の関取挑戦から5年間苦労して得た地位です。丁度来場所で30歳。遅咲きの花を期待しましょう。

 そして遙か昔に忘れ去られていた力士が蘇りました。8年以上のブランクを経て帰って来るのは千代嵐。度重なる長期休場で気持ちが折れてもおかしくありませんでしたが、それでも戻って来ました。濱錦の記録を大幅に超えての復帰、これ以上の復活劇は過去に誰も成し遂げたことがありません。果たして来場所どのような活躍を見せてくれるのでしょうか。

全日本大学駅伝の非関東勢に注目

 1週間遅れの感想。

 関東学連のチームにとっては箱根駅伝が最終目標ですが、それ以外の所属チームにとっては全日本大学駅伝が最終目標となる舞台です。

 女子は名城大学を初めとして各地方に有力校が分散している一方で、男子は関東一極集中が極端になっています。

 しかしエース級の選手でみれば、充分関東勢にも通用する選手もいるはずです。そこで、非関東勢のオールスターチームを紹介しようと思います。非関東勢区間賞は誰になったのでしょうか。

 

1区 亀田仁一郎 日本学連選抜 区間6位

2区 高畑凌太  立命館大学  区間16位

3区 上田颯汰  関西学院大学 区間13位

4区 清水皓太  関西学院大学 区間17位

5区 福永恭平  日本学連選抜 区間12位

6区 佐藤楓馬  皇學館大学  区間14位

7区 松野颯斗  皇學館大学  区間14位

8区 松浦崇之  東北大学   区間10位

 

合計 5:23:36 15位相当

 

 想像以上に差は大きいようです。以前はシード争いくらいはしていた大学がいましたが、ここ数年は高速化の波に取り残されつつあるのかも知れません。

 目立ったところでいえば、序盤に大逃げを図ったアニーダ・サレーを差し置いて、関西大学の亀田が区間1桁で走りました。出雲駅伝で少し触れた札幌学院大学のローレンス・グレは区間14位。飛び道具の留学生といった雰囲気ではなく、1選手として走っていた印象です。

出雲駅伝2021感想 キョウハメチャアツイネ - 化けない狐のB級応援! (hatenablog.com)

 同じく出雲駅伝でその名を知らしめた東北大学の松浦は、前回の結果が決してまぐれではなかった事を証明しました。エース区間での区間10位なので、区間順位以上の価値があります。今後、実業団で目立った成績を残せるか注目ですね。

大穴狙い幕内最高優勝予想 令和3年九州場所編 大横綱は昇進後に勢いを増す

 久々に九州の地へ大相撲が帰ってきました。

 白鵬の引退をもって、1つの時代は幕を閉じました。折しも出世争いも一段落し、土俵は安定しつつあります。

 名実共に1人横綱となった照ノ富士。実力が抜けていることは間違いありませんが、ここから1時代を築こうとすればどうでしょうか。

 

 朝青龍、そして白鵬。大横綱と呼ばれた先人も、横綱昇進直後はかわいげがあったとでも言いましょうか、まだ付け入る隙がありました。そこから1年程で手が付けられないほどの強さを身に付けています。

 

朝青龍は昇進直後

10勝5敗

13勝2敗 優勝

5勝5敗5休

13勝2敗 優勝

12勝3敗 次点

 と優勝した場所でもある程度星を落としています。この間、千代大海魁皇栃東の3大関もそれぞれ優勝しており、一進一退の攻防が続きました。ところがこの後は35連勝に4連覇、1場所を挟んで今度は7連覇とライバル不在の時代が始まります。

 

白鵬はといえば

11勝4敗

13勝2敗 優勝

12勝3敗 優勝

14勝1敗 優勝

12勝3敗 次点

11勝4敗

 優勝こそ重ねていますがまだ安定感はなく、出場停止となっていた朝青龍の穴埋めといった印象でした。この後は再び連続休場となった朝青龍を尻目に連続で年間最多勝記録を打ち立てるなど、黄金時代の幕開けとなります。

 

 これを受けてみれば、照ノ富士が覇者と呼ばれるには、14勝での優勝がキーとなりそうです。非常に高いハードルですが、取りこぼさないという印象を与えるには、必要になってくるでしょう。

 今場所、目立ったライバルは見当たりません。案外あっさり決まるのでしょうか。しかし蓋を開けてみるまで何が起こるか分からないのもまた大相撲です。

 出世レースは停滞したようにも思えますが、大関は1度優勝すれば、一気に来場所は綱取りになれます。つまり、再び盛り上げるには大関が優勝するしかありません。場所までの報道では散々な評価ですが、結果を出せば評価も付いてくることでしょう。

 

 

 

大穴狙い幕内最高優勝予想:豊山

 ここしばらく元気がありません。先場所も下位でようやく勝ち越しでした。一方で度々大勝ちしているのもまた事実。以前にも記しましたが、優勝という1点に関しては、安定感よりも爆発力のほうが重要です。上位には全く通用していないように見えて、実際には善戦していることが多いです。結果が伴いませんが、あと一歩の差で上位にも通用する気配があります。今場所が良い豊山なら、期待値は自ずと高くなるでしょう。

 

その他B級注目ポイント

西幕下筆頭 琴裕将

 長い間幕下中下位~三段目に納まっていた力士がここ数場所で一気に躍進しました。1度停滞してしまうとなかなか上へは上がりにくいと言われる中、27歳にして急覚醒です。いよいよ関取に手が届く地位までやってきた今場所、どんな成績を残すのでしょうか。

 

西幕下9枚目 琴太豪

 終身名誉関取候補。これまで数え切れないほどのチャンスがありましたが、それを悉く逃し続けてきました。ずっと上位で粘っていましたが、2度の休場で番付は三段目まで下がり、もはやこれまでと思われました。ところがこれで終わらないのが琴太豪。当然のように幕下15枚目以内へと帰ってきました。4勝3敗を続けても、またどこかで負け越してしまうのが目に見えています。悲願の関取昇進を果たすには、もうこの地位で全勝して一気に決めるしかないでしょう。ハッピーエンドを迎えることはできるのでしょうか。

98回箱根駅伝予選会感想 一寸先は闇

98回箱根駅伝予選会結果

 

1位 明治大学    4大会連続63回目

2位 中央大学    5大会連続95回目

3位 日本体育大学 74大会連続74回目

4位 山梨学院大学  2大会連続35回目

5位 神奈川大学  12大会連続53回目

6位 法政大学    7大会連続82回目

7位 中央学院大学  2大会ぶり22回目

8位 駿河台大学  初出場

9位 専修大学    2大会連続70回目

10位 国士舘大学   6大会連続50回目

 

11位 拓殖大学

12位 大東文化大学

13位 筑波大学

14位 上武大学

15位 城西大学

 

16位 立教大学

17位 流通経済大学

18位 東京農業大学

19位 慶應義塾大学

20位 東京経済大学

 

 終わってみればおおよそは順当な結果。しかしレース経過は大騒ぎでした。

 高速レースの予想から一転、ペースが上がりません。5キロを終わってトップがなんと立教大学。その後にも初出場勢やブランク勢ばかりが上位に並び、何がどうなっているんだといった状況に騒然となりました。

 有力校は後半勝負だったようで進むごとに上がってきましたが、積極的に仕掛けていったチームはその名を大いに知らしめたことでしょう。

 

 

 

 戦前から期待していた立教大学。さすがにハーフの距離で本戦出場できるだけの力はまだ無かったようですが、有力な1年生がいるだけに短い距離であれば有力校と肩を並べられる程ですね。前回の28位から16位まで大幅なジャンプアップです。

 

 そして駿河台大学はついに予選を突破しました。前半に仕掛けたチームが軒並み落ちていく中、最後まで粘りきっての出場です。主力陣はチームの順位以上に期待できそうなので、本戦も楽しみですね。

 

 その裏でしれっと突破していたのが専修大学でした。前回はまさかの突破といった雰囲気で、今回も下馬評は高くありませんでした。ところが蓋を開けてみれば連続出場。何かトラックレースとは違うロードの強さを持っているのかも知れません。復活は決してフロックではなかった事を示しました。

 

 国士舘大学は毎度危ないのですが、終わってみれば10位以内に入ってくる印象です。それでも特に今年は薄氷の勝利でした。

 

 大東文化大学掲示板外となった過去2回の結果に危機感を抱いたのか、死にものぐるいで走ってきましたが、それでもあと一歩届きませんでした。掲示板内には入って来ましたが、これで3年連続予選落ち。来年以降、どうなるでしょうか。

 

 さらに深刻なのは日本大学。史上最悪の惨敗とも言われた前回より、さらに順位を落としてなんと21位。東京経済大学に3分以上差を付けられたといえば、その絶望感が伝わるかと思います。かつてこんなにも急速に弱体化したチームがあったでしょうか。復活するには、時間がかかりそうです。

 

 残念だったのは麗澤大学。2年連続で次点だった時もあり、前回も13位でしたが、今回は28位に沈みました。ここ最近の躍進を支えていた主力が一気に卒業してしまった結果ですが、ここまで影響があるとは。寸前で逃すことが続き、気持ちが途切れてしまったのかも知れませんね。本当に前大会までに1回でも予選を突破しておきたかった。そうすれば、状況は変わっていたかも知れません。

 

 上武大学も、追い込みきれず。スローペースになった時点では勝機がありましたが、1人はタイムを稼げるエースがいないと勝ち上がりにくくなってきています。完全には落ちずに惜しいところで留まってはいるので、あと1つのピースが欲しいチームです。

 

 

 

 さて、ここ最近はシード勢と予選会上がりとでの実力差が開いてきています。ここで1つ、ギリギリ突破からのシード確保を見てみたいところ。

 各校爪痕を残してくれることに期待しましょう。

98回箱根駅伝予選会の掲示板争いに注目する

 間もなく箱根駅伝の予選会が始まります。

 残念ながら当方リアルタイムの放送が無い地域です。関東のローカル大会とはいえ、コンテンツとしては全国大会なので、放送してくれないものですかね。

 幸い、無料配信があるそうなので、そちらで見ようかと思います。

 

 通過予想は各方面でなされていますが、毎年当落線上ですらなかった有力校が1校は落ちている印象なので、予断を許しません。

 

 上位校は上位校として、通過ギリギリには興味をそそられます。トップ通過は当然でクールに振る舞うのも格好いいですが、当落線上のチームが名前を呼ばれた時の喜び具合を見ているとこちらも嬉しくなります。共感性羞恥ならぬ共感性歓喜とでもいう現象でしょうか。

 

 個人的に来ると思っているのは上武大学立教大学です。

 

 上武大学は長く連続出場を果たしながら1度もシードを取れず、ここ2大会出場できていません。過去の例を見ても3大会以上本戦から離れると一気に復帰が難しくなる(裏を返せば常連校は必ず3大会以内に帰ってきている)傾向があるので、今回がデッドラインです。

 今年度から大きく体制が変わりました。ハイリスクハイリターンでしたが、良いほうへ転がったようです。今年は軒並み好調。もしかすれば、一転して本戦でのシードも狙えるかも知れません。まずは集団走頼りからの脱却ですがね。

 

 立教大学は、長く本戦に出ていない大学にどうしてこんなにもという程に有力な新入生が多数入りました。1年生だけを見れば、本戦常連校にも引けを取りません。今年、どこまで上がってくるのか見物です。

 

 

 

 このブログで毎年注目しているものとして、掲示板争いがあります。本戦は10位までですが、15位までは名前を読み上げられて掲示板に張り出されるのです。そしてこれは本戦出場が狙えるチームであることの証であり、有望な新入生が入りやすくなる好循環になりやすいです。過去数年の掲示板争いを見れば、次の初出場校が見えてくるという考え方です。逆にここから落ちてしまうと、今後の本戦復帰に暗雲が立ちこめます。

 

 過去の結果を見てみれば、駿河台大学麗澤大学はかなり有力です。ただ、麗澤大学は少し地力が落ちてきた印象もあります。

 掲示板争いから脱落しつつある大東文化大学はここが正念場。同じく去年掲示板外だった日本大学はどうなるでしょうか。

 いよいよ号砲、結果を待ちましょう。

 

最後の最後に掴んだ栄光 育成ドラフト最下位指名者はどうなった

 ドラフト会議が終わりました。

 今年は注目枠もネタ枠もあまりおらず、地味な印象でしたが、贔屓球団が良い指名だったので満足です。

 

 驚いたのはソフトバンクホークスです。育成で特盛り14人指名。3軍を持つチームは当然指名人数が多くなりがちですが、それでもここまで多くの指名は類を見ません。

 後半の選手はほぼ諦めていたところに指名があって喜んだのではないでしょうか。

 

 さて、その中でも最下位、育成14位で指名された選手は福岡大学の仲田慶介。寸評によれば素材型の三拍子揃ったスイッチヒッターとのことです。流石にここまでになると知らない選手でしたが、以前にこのような記事が出ていたようです。

 

高校で控え→プロ野球を目指すまでに成長。努力の塊・仲田慶介の一芸|高校野球他|集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva (shueisha.co.jp)

 

 将来的なリンク切れに備えて概要を述べれば、高校時代までは無名で大学にも一般受験で入ったところを、肩の一芸を磨いてプロにまで届いた選手とのこと。

 それも大学に入って伸びたというよりは、高3夏から大学入学までの僅か半年で大化けしたそうです。漫画のような世界ですね。そんな彼は二芸目の脚力強化を狙っているとか。打撃についても大学に入ってから両打ちを始めたにも関わらず、リーグ戦でかなりの高打率を記録しています。

 確かにこの信じられない成長曲線を見れば指名されるのも頷けますね。25歳までにプロに行きたいと言っていたようですが、早くも夢が叶いました。

 

 もちろんそう上手くいくとは限らないのがプロの世界です。ドラフト指名された人数分、プロ野球を去った選手が存在し、指名されなかった選手が存在します。

 育成選手という名前ですが、実際には育成以前に取りあえずで確保し、ダメならすぐにサヨナラといった立場。去年のドラフトで史上最大の謎指名と話題になった古長選手も1年で戦力外通告を受けました。

 それでもスタートラインには立ちました。チャンスすら与えられない選手がほとんどの中、少ないながらもチャンスはあります。だからこそ、一軍のグラウンドに立つ姿を見てみたいのです。

 

 

 

 そこでふと気になりました。これまでの最下位指名の選手は今どうしているのだろうと。育成出身といえば甲斐選手が思い付くけれど、彼は全球団では最下位だったっけ?記憶が曖昧です。

 ドラフトがおおよそ今のスタイルになって既に10年以上が経ち、結果が出てきています。ここで1度、過去の最下位指名選手を振り返ってみます。

 

2008年 千葉ロッテ 育成8位 田中 崇博 投手 四日市南高校

寸評:公立高校のエースとして活躍

結果:1軍どころか2軍でも出番が無く1年で戦力外通告。後に病気を理由に独立リーグも退団しているので、健康上の理由があったのかも知れない。

 

2009年 巨人 育成5位 神田 直輝 投手 群馬大学

寸評:準硬式野球部出身

結果:ファームでも厳しい成績に終わり、2年で戦力外通告。現在高校教員。

 

2010年 巨人 育成8位 丸毛 謙一 外野手 大阪経済大学

寸評:大学時代にベストナイン3回受賞

結果:ファームの代走要因。オリックスに移籍後、1試合だけ代走で一軍出場を果たす。これからという時に頭に受けた打球が元で任意引退。球団職員に転向。

通算 1試合

 

2011年 ソフトバンク 育成7位 飯田 一弥 捕手 独立リーグ高知

寸評:強肩捕手が課題の打撃を克服

結果:目立った活躍は無く2年で戦力外通告ブルペン捕手に転向。ちなみに飯田優也(ソフトバンク阪神オリックス)の兄。

 

2012年 ソフトバンク 育成4位 宮﨑 駿 内野手 三重中京大学

寸評:秋季大会の首位打者。閉校する三重中京大学最後の選手。その名前で話題。

結果:打棒が振るわず3年で戦力外通告。その後警察官に。

 

2013年 ソフトバンク 育成4位 張本優大 捕手 佛教大学

寸評:大学でベストナイン獲得。日本代表候補だったが最終メンバーには残れず。

結果:キャリア序盤は打撃で頭角を現し、2016年に支配下登録。一軍キャンプにも呼ばれたが、最大のチャンス前にしてスランプに陥り、ついに6年間のキャリアで一軍出場を果たすことはできなかった。現在も球団職員として在籍。

 

2014年 ソフトバンク 育成8位 中村恵吾 投手 独立リーグ富山

寸評:富山サンダーバーズのセットアッパー。1年で球速が10キロ伸びた急成長を評価される。

結果:ほとんどが三軍での出場。1年で戦力外通告

 

2015年 巨人 育成8位 長谷川潤 投手 独立リーグ石川

寸評:大学時代はベストナイン獲得。独立リーグでの結果は今一つだったが。

結果:ルーキーでいきなり支配下登録、一軍出場も果たす。結果は残せなかったが、先発のマウンドにも立った。

通算 3登板 1先発 0勝1敗 3奪三振

 

2016年 巨人 育成8位 松澤裕介 外野手 独立リーグ香川

寸評:前年は故障を理由に指名拒否。2年連続のラブコール。この年は不調だったが、前年には打点王獲得。

結果:三軍でも打てず、故障も重なり2年で戦力外通告

 

2017年 巨人 育成8位 荒井颯太 外野手 関根学園高校

寸評:無名だったが対戦相手の牧(現阪神)を見に来たスカウトの目に留まる。ロマン砲

結果:ファームでも出番が少なく、3年で戦力外通告

 

2018年 巨人 育成4位 黒田響生 内野手 敦賀気比高校

寸評:猛打で有名な敦賀気比高校で1年生からレギュラー。強肩の一面もある。

結果:ほとんど三軍での出場だが、首脳陣からの期待は高く現在も育成契約中。

 

2019年 オリックス 育成8位 松山真之 投手 独立リーグ富山

寸評:出身校は弱小で高校時代は無名の存在。独立リーグでも目立った成績は残していないが、入団テストで素質を見込まれる。

結果:今季はファームで8試合に登板し防御率0.00。覚醒なるか。

 

2020年 巨人 育成12位 加藤廉 内野手 東海大学海洋学

寸評:リーグ戦で本塁打王獲得。俊足強肩のユーティリティで走攻守揃っている。

結果:ファームでそれなりの成績。6四死球31三振のフリースインガーだが過去の最下位指名者の中では格段に打てる。

 

2021年 ソフトバンク 育成14位 仲田慶介 外野手 福岡大学

寸評:急成長の努力家は結果を残せるか

 

 

 

 想像以上に厳しい結果。一軍デビューを果たしたのはわずかに2人で、その2人もほとんど出場できず。プロのスカウトから見て当落線上だと、なかなかチャンスも与えられないようです。

 あまりにも高い壁、この壁を打ち破る選手は出てくるのでしょうか。育成選手には時間がありません。ルーキー年から一気に覚醒する必要がありそうです。

 

出雲駅伝2021感想 キョウハメチャアツイネ

 駅伝シーズン開幕戦。ダークホースとの期待が高かった東京国際大学が初出場初優勝を達成しました。すでに短い距離であれば強豪校と同格なので、これは波乱ではなく順当な結果だとみます。

 何よりもヴィンセントに先頭で渡したのが素晴らしいですね。これなら留学生に対して文句は出ないでしょう。そのヴィンセントは暑さもあり安全運転でしたが、とにかく東京国際大学の強さが際立つ大会でした。4年生が出場せずにこの結果なので、来年出場できれば連覇の可能性が高そうです。

 

 

 

善戦

 善戦したといえるのは東洋大学國學院大学ですね。

 東洋大学は毎回、持ちタイムはそれほどでもないのに駅伝になると滅法強いです。

 國學院大学は一番の驚きでした。前回の有衝撃優勝劇といい、出雲に対して見えない相性があるのかも知れません。

 

苦戦

 駒澤大学は心配されていた通りの展開になりました。むしろ後方から追い上げる難しい展開できっちり区間2位に入った田澤のおかげで5位に入ったという見方もできそうです。

 同じく期待されていた順天堂大学は散々な結果に。毎回必ずどこかでブレーキが出てしまうのですが、今回もそうなりました。昔は調整の順大と呼ばれていましたが、今はかなりピーキングが苦手な印象です。タイム差から考えれば、三浦が出場していたとしても、あまり順位は変わらなかったでしょう。長い距離のほうが得意なチームなので、このまま終わりはしないと思いますが、果たして。

 東海大学は強さを維持できるかの瀬戸際なので、踏ん張り所ですね。

 

悪かったコンディション

 私の住んでいる地域では1週間前までセミが鳴いていました。猛烈な残暑の影響で、気温は30℃超え。先述のヴィンセント安全運転もあり、ここ最近には珍しく区間新が1つも出ない大会でした。

 ムルワは惜しかったですね。あれだけの爆走でも届かない相澤はどれだけ速かったの。インタビューで「キョウハメチャアツイネ」と言っていたのが面白かったです。

 

気になった留学生ランナーと裏MVP

 一方で前回1区区間賞の札幌学院大学グレは区間15位の凡走に終わりました。留学生とはいっても持ちタイム的にはそれほど速くないので、むしろ前回が頑張ったのでしょう。遅い黒人ランナーってなんだか好き。

 最大の金星はいきなり区間4位で走った東北学連選抜の松浦ですね。順当に上位校がやって来る中に混じって東北学連選抜の名前が出た時には本当に驚きました。実況ではなぜかさっぱり触れられていなかったのに加え、途中から先頭ばかり映されていたので全く気が付きませんでした。

 関東以外のチームというだけでも凄いのですが、その中でも大抵名前が挙がるのは立命館や京都産業や第一工業です。今回も当初注目されていたのは関西学院の上田でした。東北学連選抜はこれまで全く注目を浴びることがありませんでしたからね。前回も前々回も出雲駅伝は最下位でした。松浦選手はもっと注目されるべきだと思います。

 2年前は区間12位で、去年の全日本も区間16位。ここまで急な躍進は予想外でしたね。同じ東北大学からアンカーに出てきた脇田も関東以外では上位。密かに強化が行われていたのでしょうか。2人ともM2なのが勿体ないですね。

 

 

 

出雲駅伝順位

1位 東京国際大学

2位 青山学院大学  1:57

3位 東洋大学    2:03

4位 國學院大学   2:07

5位 駒澤大学    2:43

6位 早稲田大学   2:50

7位 創価大学    3:27

8位 帝京大学    4:14

9位 東海大学    4:43

10位 順天堂大学   5:07

11位 立命館大学   8:04

12位 大阪経済大学  9:38

13位 関西学院大学 10:16

14位 皇學館大学  10:57

15位 北信越学連選抜11:48

16位 広島経済大学 12:26

17位 札幌学院大学 13:26

18位 東北学連選抜 13:40

19位 北海道大学  15:42

20位 日本文理大学 18:32