いよいよ明日、今年最後の本場所が初日を迎えます。
あの寡黙な稀勢の里が珍しく優勝宣言をしたそうですが、15日後に笑っているのは果たして誰になるのでしょうか。
普通に優勝力士を予想するだけでは面白くないので、このコーナーでは幕内最高優勝を大波乱が起きるとすればという仮定で、スポーツ紙の小記事や勘だけを頼りに予想していきます。
4つのルールを設けていきます。
1.上位総当たり圏内ではない事
横綱や大関の優勝はもちろん、2場所前の御嶽海の優勝なども波乱ではありましたが、実力者が順当に取った結果であり大穴とまでは行かないでしょう。
幕内の地位は前頭4~5枚目付近を境に実質2分されている傾向があるので、ここよりも下の地位に限定しました。
2.過去1年で半数は上位対戦圏外である事
これは急成長してきた新鋭力士を弾くためのルールです。スピード出世の若手が優勝すれば、それもまた実力の延長線上であり、今後常時勝てるようになる可能性が高いですからね。ただし、下位の地位で大勝ちして上位と当てられている場合でもこの括りには入りません。
3.過去1年に殊勲賞を受賞していない事
上位を倒した証である殊勲賞は一定以上の力量の持ち主であると言えるでしょう。そこでこの層も優勝可能性がある程度高い力士であると判断します。金星は大負けした力士が1つ獲得していたという場合も多いので基準から外しました。
4.過去3年に三役以上での勝ち越しが無い事
実力者が故障等で一時的に番付を下げ、その地位では敵なしで大勝ちする事はよくあるので、この層は除外しました。一方、上位では必ず負け下位では必ず勝つエレベーター力士は候補に入れています。また、かつての三役常連でも丸3年三役で勝ち越せていなければ、優勝は大波乱の域に入るとみて候補に入れました。
この4つのいずれかに該当する力士は優勝しても大波乱とまではいかないとの判断です。
これらのルールに照らし合わせると、候補となる力士は次の16名となります。
西前頭5枚目 朝乃山
東前頭6枚目 貴ノ岩
西前頭6枚目 輝
西前頭8枚目 宝富士
西前頭9枚目 大栄翔
東前頭10枚目 佐田の海
西前頭10枚目 豊山
西前頭11枚目 隠岐の海
東前頭12枚目 碧山
西前頭13枚目 隆の勝
東前頭14枚目 千代翔馬
西前頭14枚目 大翔丸
東前頭15枚目 大奄美
西前頭15枚目 明生
東前頭16枚目 荒鷲
西前頭16枚目 千代丸
波乱を起こす力士にはいくつかの傾向があります。例えば、ヌケヌケ(勝ち負けが交互に来て連勝・連敗が少ない力士)が多い力士が突然大勝ちするよりは、面相撲(連勝・連敗が極端な力士)の力士がそのまま千秋楽まで走る可能性のほうが高いといえるでしょう。とはいえ、ほとんどの場合は中日くらいまでで勢いが止まってしまいますが。だからこそ優勝すれば大波乱となります。
また、かつて活躍した大ベテランが突然思い出したかのように勝ち進む事もあるでしょう。思い起こせば貴闘力や旭天鵬が優勝した時もそうでした。
また、前述のルールにも入らない本当の新鋭が飛ぶ鳥を落とす勢いで優勝戦線に乗る事もあるかも知れません。その場合は大いに盛り上がりそうですね。
稽古場と本場所での強さは別とはいえ、やはり場所前は好調であるに越した事はありません。29年名古屋場所前に絶好調が伝えられた碧山が本場所でもあれよあれよという間に13勝してしまった事は記憶に新しいです。
実はこのブログを始める以前からこのコーナーは密かに楽しんでいたのですが、その場所で優勝予想したのが碧山でした。
毎場所恒例大穴狙い優勝予想:碧山
— きつね (@konkonkitafox) July 9, 2017
当時はとても驚いたものです。
さて、この面々の中であれば有利なのは豊山でしょうか。下位であればかなりの大勝ちを期待できるようになっている上、2度の上位対戦でも結果は大負けでしたが内容は成績以上のものを見せてくれました。
貴ノ岩も期待できます。元々極端なエレベーター力士な上に、いつも途中までサイレント優勝争いしている印象が強いので、ギリギリ上位対戦圏外となった今場所は大チャンスといえるでしょう。
宝富士も不気味です。ここ最近は低迷気味ですが、本来のポテンシャルは相当なものですし、上位と対等に渡り合っていた頃の勘を取り戻せれば、一気に捲っていく可能性もあるでしょう。
大勝ちという意味では隠岐の海の名前も挙げたいのですが、この力士はどうも毎度途中で一気に失速してしまうのですよね。
今場所こそは勝昭さんを喜ばせて欲しいものです。
真面目に優勝予想するならば、豊山になると思います。ただ、豊山が優勝したとしてもそこまで意外性は無いです。御嶽海・北勝富士・豊山・朝乃山の4人は序列こそあれども同じ有望株の枠として考えていますから。
なので、稽古場での様子と直近2場所の結果、そして何より己の勘を信じて。
大穴狙い幕内最高優勝予想はおにぎり君こと隆の勝伸明の名前を挙げます。
先場所こそ全員が揃い踏みとなりましたが、今場所は稀勢の里が一人横綱。上位陣は皆満身創痍で、万全なのは豪栄道くらいです。
もしかすれば今場所、本当に何かが起こるかも知れません。