化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

95回箱根駅伝感想 國學院大学・順天堂大学

國學院大学 予想順位14位 総合成績7位(往路3位・復路12位)

1区 藤木宏太1年 区間10位 1:02:57  →10

2区 土方英和3年 区間7位 1:07:53 10→6

3区 青木祐人3年 区間6位 1:03:01 6→5

4区 茂原大悟3年 区間14位 1:04:30 5→6

5区 浦野雄平3年 区間1位 1:10:54 6→3

6区 江島崚太4年 区間13位 1:00:17 3→4

7区 蜂屋瑛拡4年 区間12位 1:04:55 4→6

8区 殿地琢朗1年 区間12位 1:06:53 6→6

9区 長谷勇汰4年 区間12位 1:11:06 6→6

10区 小中駿祐4年 区間13位 1:13:06 6→7

 

 今年一気にジャンプアップ。過去最高の成績を残した國學院大学。良くも悪くも地味なチームでしたが、往路までは優勝争いにすら絡むほどの大活躍でした。

 往路を3位で終える事ができたのは重要区間5区で区間賞を取れた事が大きいですが、それより前の時点で既に上々の滑り出しを見せていました。実は2区の影響が大きかったのではないでしょうか。2区での1時間7分台はエースの証、大台といったものでしょう。一昔前なら区間賞も狙えたほどの記録です。土方選手はこれまであまり駅伝で結果が出てはいませんでしたが、ハーフの持ちタイムを考えればこれでも驚きではない結果でした。3年で主将を任せられる選手は一味違うといったところでしょうか。

 この國學院大学、監督も強烈なキャラクター性を持っていますし、もっともっと目立ってくれると大学駅伝はますます面白くなっていくでしょう。

 往路を湧かせたメンバーは全員が来年も残りますし、次回大会も期待できそうです。しかしこれよりも上の順位はどこも強豪揃い! さらに順位を上げていくのはとんでもないチャレンジです。それでも、選手層の厚みを増す事ができればチャンスはあるでしょう。今回は当日変更で外れましたが、臼井健太などはかなりのスタミナを持っていますし、来年以降伸びてくるのではないでしょうか。

 

敢闘賞:浦野雄平3年 5区1位 1:10:54

山登りで区間賞。かつての中井祥太(東海)を超える記録には文句なし。

来年度の風向き 

 

 

順天堂大学 予想順位6位 総合成績8位(往路7位・復路13位)

1区 澤藤響 2年 区間19位 1:04:40  →19

2区 塩尻和也4年 区間2位 1:06:45 19→9

3区 橋本龍一3年 区間12位 1:03:44 9→8

4区 小林聖 4年 区間19位 1:04:57 8→11

5区 山田攻 4年 区間4位 1:11:59 11→7

6区 清水颯大2年 区間15位 1:00:35 7→8

7区 藤曲寛人3年 区間9位 1:04:39 8→8

8区 金原弘直4年 区間13位 1:06:57 8→8

9区 吉岡幸輝4年 区間11位 1:11:04 8→8

10区 鈴木雄人3年 区間14位 1:13:15 8→8

 

 しっかりとシード権を奪回した名門・順天堂大学。今年は何と言っても塩尻でしょう。日の丸を背負う事を目指す学生ランナー達の中で先んじて夢を叶えたリオデジャネイロオリンピックから2年。これまで箱根駅伝では極端には目立っていませんでしたが最終学年となる今年、不滅の記録とさえ思われた三代直樹の2区日本人記録を抜きました。

 この記録はラスト3キロが信じられないほど速く、毎年のように権太坂までは区間新ペースで走るランナーが続出しながら最終的には丸1分記録より遅れるのが恒例の光景でした。最後の坂で三代の亡霊が追い上げてくるとまで言われるほどです。日本人と言わず留学生を含めても、今年ワンブイ(日大)が快走するまでこの記録を超える事ができたのは最強留学生と名高いモグス(山梨学院)ただ一人でした。村澤も、服部弾も、ダニエルも抜けなかった大記録なのです。このクラスになると留学生に混じってごぼう抜きをしてきます。これが世界で戦うレベルのランナーなのかと思わされました。

 順天堂はさらに山のスペシャリスト山田攻(ほんと凄い名前!)が控えているので、重要区間をしっかり抑える事ができたのでした。区間賞は3年間で取ることができませんでしたが、計算できる選手が居たのは順天堂大学にとって大きかった事でしょう。

 さて、来年はこの2人が抜けます。そう簡単に穴は埋まらないでしょう。不安な事に、今回出走した10人中7人が区間2桁順位でした。これを何とかしなければ、来年はシード権も危うくなります。ただ各自の持ちタイムを見ると、そう悪いとは思わないんですよね。本当はもっと区間上位で走れるはずの選手ばかりです。強さを維持するには、全員が実力通り走る事が絶対条件となるでしょう。かつて順天堂が連覇をしていた時代には復路の順大と呼ばれ、選手層の厚さで勝ってきたチームですからね。

 もう一つ気になる事があり、どういう訳だか順天堂大学は1区で出遅れる事がやたらと多いです。優勝した年ですら一番最初に集団からこぼれましたし(一度は追い付くなど粘って最終的に区間14位でした)、去年栃木というエース格の選手を配置してなお区間10位でした。2区にビハインドで繋いでしまう事が、これまで塩尻選手が本領を発揮できなかった一因ともなっていました。ここを改善できれば、一気に流れに乗る事も可能なはずです。

 私は初めて見た箱根駅伝が山の神・今井が登場した81回大会だった事で、順天堂大学のファンになりました。来年以降厳しいと言われる事の多い順天堂大学ですが、予選会最下位からシード権を取った88回大会のように、下馬評を覆す好走を期待しています。

 

敢闘賞:塩尻和也4年 2区2位 1:06:45

順天堂の大先輩、三代超えの大記録達成。史上初めて1時間6分台で区間賞を獲得できなかったランナーにもなる。

来年度の風向き