開催が心配されていた全国高校駅伝は、今年も無事に全チームが出走することができました。
B級応援ということで、駅伝界最弱? とも言われている沖縄県を応援するために毎年下位争いにも注目しています。
今年の沖縄県代表校である北山高校は34位と大健闘。40位の壁を軽く越えていきました。毎年下位に沈んでいるとはいえ、ここ数年は最下位からは遠ざかっています。そろそろ最弱の名を返上できる時が来たのかも知れませんね。
そんな中で今年の完走最下位(高知中央高校がラインファールで失格になっているので順位は46位)となったのは意外なチームでした。
46位 山梨学院 1:12:44
同系列の大学は言わずと知れた名門。その附属校にして、2013年の王者です。学生駅伝はメンバーが毎年入れ替わりますから、強豪校の凋落自体はさほど珍しくありません。また、棄権等で優勝候補が脱落することもあります。
しかしながら、たった7年で頂点から最下層まで順位を下げてしまったという例は耳にすることがありません。
大前提として、優勝チームを輩出するような都道府県には大抵他にも強い高校があるので、そのチームが弱体化しても他のチームが成り代わり、それなりの順位を獲得します。それだけに今回の例はかなりの珍現象と言えるのではないでしょうか。
区間順位を見ると43位、34位、44位、46位、45位、41位、47位。決して1人のブレーキという訳でもなく、浮上の切っ掛けをつかむことができませんでした。
実は元々の持ちタイムからしても今年は厳しい戦いが予想されており、結果だけを見ると順当だったのかも知れません。
初優勝以降の山梨学院の順位を示せば
2013年 1位
2014年 42位(記念大会のため58校出場)
2015年 29位
2016年 13位
2017年 11位
2018年 38位
2019年 44位(記念大会のため58校出場)
2020年 46位
ご覧のように翌年には早くも下位に順位を落としています。優勝時の3年は黄金世代と呼ばれていましたが、その下の学年がなかなか育たなかったのでしょうか。突発的に優勝したチームには比較的多い燃え尽き現象ですが、その後一旦は持ち直していただけに波の激しさを感じます。
その黄金世代は全員が山梨学院大学に進学し、大いに期待されましたがこちらも高校時代の輝きを失っていきました。大学側もまた、もがき苦しんでいます。
盛者必衰戦国駅伝。それでも優勝から最下位があるならば、その逆もあるということです。もう一度ここから持ち直すことができるでしょうか。山梨県の他の候補も気になります。山梨学院を上回るチームは本当に居ないのでしょうか。
初出場からまだ10年。この短い期間で天国と地獄をみたチームは他にいないでしょう。だからこそ、V字回復にも期待したいですね。