ついに照ノ富士の復活物語が完結しました。来場所からは、未知の領域に足を踏み入れることになります。
大怪我から復活してこの強さ。もし怪我が無ければ、ここ数年の混沌時代は存在せず照ノ富士時代がやって来ていたのかも知れません。
照ノ富士は既に29歳。年齢的にはここから大横綱になれる雰囲気はありません。それでも、かつての武蔵丸のように圧倒的ではないにしても優位な時代を続けるくらいの力はあるように感じられます。
随分と遅れましたが、照ノ富士の横綱昇進にも期待をしましょう。
ところで2度目の大関昇進の時には使者は来るのでしょうか。魁傑の時には来たようですが。
一方でするりと優勝が逃げてしまった高安。それも全くの予想外だったかといえば、ある程度予想が付いてしまったようにも思えます。この人は兄弟子の稀勢の里とよく似ています。主にプレッシャーと碧山を苦手としているところが。
千秋楽終わってみれば10勝5敗。大関取りの起点としても、さほど強くない星になってしまいました。稀勢の里の樹ならぬ高安の樹が生えてしまいそうです。
その高安に勝って最後まで優勝戦線に残っていた碧山。全くの圏外で話題にならなかった場所から優勝すれば面白かったのですが、さすがにそうはいきませんでした。それでも稽古場横綱と言われるほどの力を秘めている力士です。旭天鵬が優勝したあの場所でも最後まで残っていましたし、白鵬が独走する中唯一追い掛けていった事もありました。既にベテランですが、今後もしかすればという可能性だってあります。
脱落したかと思われた朝乃山もいつの間にか10勝5敗。この人の安定感は本当に凄いものがあります。そろそろ2回目の優勝が欲しいところです。
三役は今場所も全員勝ち越しで枠が空かず。かつてこんなにも連続で空かなかった事があったでしょうか。
さて、長期間に渡る混沌の土俵が続いてきましたが、今場所で鶴竜が引退。また1つ時代が進みました。気が付けばかつての上位陣で残っているのは白鵬だけ。大関や三役常連と平幕勢との差は開いてきており、ようやく定番の形が出来上がってきたように思えます。もちろんまだ誰が優勝するか分からない緊張感は続いていますが、今場所のような展開が今後増えてくるのではないでしょうか。
貴景勝以外はあまり若くないので一時代を築くまではいかないでしょうが、当面の土俵は安定してくるのではないでしょうか。
そして本当に再び白鵬1横綱時代がやってきました。これほど多くの横綱を見送ってきた横綱がいたでしょうか。名古屋で進退を賭けるとしており、朝青龍が去って名実共に1強となった前回とは全く状況が異なります。そんな2度目の白鵬1横綱時代はどのような時代になるでしょうか、そして何場所続くのでしょうか。
今場所注目していた力士たち
西前頭14枚目 剣翔 9勝6敗
微妙な結果ですが、勝ち越しました。今度こそ幕内定着といきたいところですね。
西十両13枚目 錦木 7勝8敗
千秋楽何とか残留できそうな星を得ることができました。十両といい、三役といい、今場所の千秋楽は陥落ピンチの力士が悉く勝利を得ましたね。
西幕下15枚目 北青鵬 5勝2敗
流石に全勝とはいきませんでしたが、今場所も5勝2敗。これは本物かも知れません。幕内まではすぐに上がってくることでしょう。
東幕下21枚目 吉井 2勝5敗
ついに初めての負け越しとなりました。横綱となるような力士はここから2度目の挑戦で一気に切り抜ける傾向があります。この2度目の挑戦が大きなターニングポイントとなりそうです。同い年の大辻も上がってきて、ますます楽しみになってきました。
東三段目70枚目 煌 2勝5敗
今場所も名前が格好良かった。
令和3年夏場所番付予想
上位陣
隆の勝 関脇 高安
御嶽海 小結 大栄翔
若隆景 前1 北勝富士
明生 前2 翔猿
碧山 前3 阿武咲
霧馬山 前4 妙義龍
千代の国 前5 豊昇龍
これはかなり組みにくい。大負け力士でもほとんど落ちないかも知れません。北勝富士と明生は星勘定の上では逆ですが、9勝で据え置きは流石に無いかと思いこのような順番にしました。翔猿は幕内上位の常連になれるでしょうか。
幕内ー十両入れ替え
ここは無難に決まりそうです。炎鵬はあと一歩及びませんでした。
十両ー幕下入れ替え
↑ 大翔鵬・王鵬・荒篤山
↓ 矢後・武将山・(鶴竜)
ここもほぼ確実でしょう。状況によっては6枠程空く可能性がありましたが、残留が多くなりました。