化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

元幕内力士、鏡桜の怪

 鏡桜。ひと昔前であれば、よく耳にした四股名です。幕内定着とまではいきませんでしたが、それなりに長い期間関取の地位にありました。6年前を最後に関取の座からは遠ざかっています。その後各段優勝もあり、関取復帰まであと一歩まで迫った場所もありましたが、残念ながら今日まで復帰には至っていません。

 そんな鏡桜ですが、今も現役力士です。ここまで長く粘る力士は珍しいですが、芳東の例もありますし、いない訳ではありません。問題はそこではありません。鏡桜が最後に本場所の土俵へ上がったのは令和2年九州場所。皆勤したのは令和2年春場所まで遡らければなりません。去年からは番付にすら載っておらず、番付外の地位が続いています。

 ところが、かといって引退もしていないのです。入門したばかりの力士が一時的に活動休止をしているために番付外が続くことはありますが、元幕内力士がこのような状況になっていることは異様にすら思えます。部屋には確実に所属しているはずなのですが、目撃情報もありません。まるで神隠しに遭ってしまったかのようです。

 

 モンゴル出身なので、親方になるつもりで帰化待ちをしているのでしょうか。しかし鏡桜は名跡取得の要件を満たしていないので、親方になるためには部屋継承の特例(こちらは関取20場所の要件を満たしています。)を使うしかありません。そして現在の師匠、伊勢ノ海親方(元北勝鬨)の定年はまだしばらく先です。

 去年、元々所属していた鏡山部屋が閉鎖されているだけに、謎が深まります。将来的には鏡山部屋を再興するのでしょうか。それにしても、一旦鏡山部屋が再独立し、その後に継承といった流れになるので二度手間になります。

 やはり、大きな故障の後にもう1度だけでも本場所の土俵へ上がりたいとの思いで現役を続けているのでしょうか。それであれば、そろそろ復帰できてもおかしくないのですが。

 

 数々の謎を残したまま、鏡桜は今場所の初日を迎えます。