1年納めの九州場所。照ノ富士の長期離脱が予想される中、復帰までにライバルとなれる力士の登場が待たれます。いつ初優勝してもおかしくない力士がわんさかいる一方で、突き抜ける力士もおらず、上位は大渋滞です。今場所下位に落ちたことで、星のつぶし合いに巻き込まれない阿炎あたりは大チャンスに思えますが、果たしてどうでしょうか。
とうとう3関脇4小結に
上位が詰まる中で三役は膨れ上がり続け、ついには7人に。長く続いた三役増枠なしが嘘のような大所帯になりました。ようやくロックが外れた御嶽海があっと言う間に帰ってきてしまい、ますます大変なことに。流石にこれだとつぶし合いで全員残留は難しそうに思えますが、それが絶妙に7~8勝付近に固まるんですよね。
開花しそうでしない豊昇龍に霧馬山は優勝が欲しいところで、若隆景は大関へ足場固めの場所。新たに加わった2人も面白いですね。玉鷲は大ベテランの域ですが、1回もあるとは思えなかった優勝を2回もしてしまった今、何が起こってもおかしくありません。最初で最後の大チャンスとして、大関を狙っているのかも知れません。翔猿も平幕の華枠と思いきや、実力が伴ってきました。若手感を醸し出していますが、本当は御嶽海よりも年上なんですよね。
次の横綱は?
しかし横綱となると候補は見当たらず。なんだかんだで貴景勝が1番近いのでしょうが、2年優勝から遠ざかっている今、結果が欲しいところです。
かつての大関もここ最近はすっかりと影が薄くなってしまいました。しかし先場所、年上の玉鷲が優勝したことで、もう1度という気持ちが沸いてくれればと。元々膝さえ何とかなればという力士ですし、ここ最近ほとんど見られなかった豪快な投げ技や力任せの強みが先場所見られたのも好材料かと思います。
その他注目ポイント
炎鵬 東十両11枚目
徳勝龍 東十両12枚目
数年前に沸かせた力士が今は大ピンチに。炎鵬はここ最近十両の中でも下位に沈み続けています。こういった力士が幕下へ落ちると復帰できないことが多いので、とにかく落ちないことが大事です。徳勝龍はここ数場所で一気に弱り、下げ止まらなくなりました。よく見る引退する力士の番付曲線を描いています。こちらも玉鷲よりは年下。もう一花咲かせるには勝ち越すだけでなく、一気に番付を戻す必要があります。今場所は正念場です。
湘南乃海 西幕下筆頭
大きな期待を持たれながら長く停滞していましたが、過去最大ともいえるチャンス。これをものにできるか逃すか、これからの運命は大きく変わることでしょう。
旭大星 西序ノ口5枚目
2代目などではなく、正真正銘"あの"旭大星です。長い休場を経て1番下の番付から復帰となりました。既に33歳となり、元々衰えによって十両を維持できなくなってからの休場。置かれている立場には厳しいものがあります。だからこそ、失うものはもうありません。引退せずに現役続行という道を選んだ訳ですから、ここから第二章が始まることを期待しましょう。