化けない狐のB級応援!

一流所ではないし名脇役でもないけれど、ちょっとは活躍していて。 ブレイクはした事ないけれど、プチブレイクはしていて。 そんなB級を応援しよう。

さらば0.5発屋 描いた岡崎曲線

  B級注目選手紹介のコーナーです。

 岡崎選手を知らない方のために簡単に紹介すると、阪神タイガースにかつての自由獲得枠で絶大な期待を受けて入団をしながらも、なかなか芽が出なかった選手です。ほとんど実績が無いまま契約更改を続けて生き残り、長寿の部類でありながら誰も彼の姿を見たことが無いという幻のような選手でした。

 そんな岡崎選手が脚光を浴びたのは2016年のこと。とはいってもいくら思い返しても4年前にそんな選手が暴れていた記憶は無いぞといった他球団のファンの方もいるかも知れません。

 流石に他球団ファンにまではあまり知られていませんが、阪神ファンの大半は彼の名前を知っています。とはいっても決して華々しいシンデレラストーリーがあった訳ではありません。突然才能が開花した訳でも、劇的な試合で劇的なプレーをした訳でもありません。

 5年前の秋、現監督の矢野コーチがイチオシの選手として突然彼の名前を挙げたのが事の始まりでした。これで気合いが入ったのか、周囲からそのうち脱落すると言われながらもキャンプそしてオープン戦と結果を残し続け、あれよあれよという間に開幕スタメンの座を射止めてしまいました。それまでは第二捕手どころか第三捕手ですらなかった選手がいきなりの正捕手です。まさにごぼう抜きでした。

 しかし残念ながら、そのまま定着する事はできませんでした。なんと岡崎選手よりさらに無名だった原口選手が一気に才能開花し、オールスターゲームに出場するほどの活躍で一気に捲られてしまったのです。ごぼう抜きしたと思ったら、さらに後ろから抜かれるだなんて、予想外もいいところ。さらに夏場の故障でシーズンを終えてしまい、持ってないなぁと感じるところです。

 結局この年の成績は出場試合38、打率は2割ちょうど、打点は5と平凡なものでした。平凡ではありますが、これまでの成績と比べると格段に良い。初盗塁も記録しました。そんななんとも言えない結果です。

 しかしこれで終わらないのが岡崎選手。普通の選手であればこのまま消えてしまうところを、次の年も魅せてくれました。2017年も1軍に顔を出し、プロ初ホームランを放ちお立ち台に登りました。金本監督からは「これが最初で最後にならないように」と手厳しい事を言われていましたが、2回目はなんと翌日。サヨナラタイムリーを放って再びヒーローとなりました。

 

881: 神1-2日(4回裏) 2017/06/03(土)19:24:36 ID:7lF

岡崎ぃいいいいいいいいいいいいいい

信じてなかったぞぉおおおおおおおおおおお

 

 その年の終盤には三振三振本塁打三振三振といった尖りすぎた成績を残した試合もありました。

 

 残念ながらレギュラー奪取には至らず、正捕手争いを制したのは梅野選手でした。岡崎選手は第二捕手にも残れず翌年以降は出場が激減します。元に戻ったとも言えますが。

 2019年にはついに一軍出場が無くなり、とうとうこれまでかと思われましたが、またしても残留。もう10回目くらいのラストチャンスに挑んだ今年、2年連続の一軍出場なしとなり、自由契約となりました。

 

阪神岡崎、戦力外に「感謝しかない」04年自由枠 - プロ野球 : 日刊スポーツ

 

 考え得る中で最大の残留力を発揮したとでも言うべきか、数字だけ見れば阪神一筋16年。なのにほとんど見たことはない。そんな不思議な選手でした。

 

 一発屋と呼ばれる選手がいます。岡崎選手が一発を当てたかと聞かれれば、答えはNOです。タイトルどころか、レギュラーも取っていません。

 それでも、確かに輝いていた瞬間はありました。かつて広島鈴衛残留が年末の恒例行事と化していたこともありましたが、(その鈴衛さんも今は阪神ブルペンキャッチャーですね。縁もゆかりも無かったのに、金本さん繋がりでしょうか。)通算出場2試合の鈴衛選手より遥かに多くの実績を残しました。

 そんな中途半端な立ち位置、0.5発屋とでも呼びましょうか。読者の皆様の贔屓球団にも、こんな選手がいるでしょうか。これもまた、一つの選手人生と言えるでしょう。

 

岡崎太一

1983年6月30日生

智辯学園高校松下電器阪神 2004年自由獲得枠

捕手

右投右打

 

通算成績

119試合

打率.185

27安打

本塁打

11打点

1盗塁

 

箱根駅伝に出場せず全日本大学駅伝に出場する大学

 ご存じの通り箱根駅伝は関東ローカル大会であり、他地方の大学には出場資格がありません。しかしここではその事を言いたいのではありません。

 

 先の箱根駅伝予選会では上位通過が確実と思われていた中央学院大学がまさかの敗戦、日本大学に至っては大惨敗といった結果に終わりました。その2校は全日本大学駅伝には出場しており、普段は前哨戦扱い(全国大会なのでそれもどうかとは思いますが)されてしまう全日本大学駅伝が、現チーム最後の大きなレースとなりました。

 結果は中央学院が11位、日本大学が14位と振るいませんでした。特に中央学院大学は今シーズン当初の評判からすればシードを取る勢いでしたが、結果からすれば箱根駅伝予選会は波乱というほどでも無かった印象に。

 ロードの強さというものは持ちタイムだけでは測れませんからね。持ちタイムだけでは分からないという事でしょうか。

 数年前、明治大学箱根駅伝出場を逃した際には阿部弘輝が意地の区間新を取っていましたが、特殊な状況だからこそのドラマもあるようです。

 

 

 

 駅伝そのものの感想としては、皇學館大学の川瀬は本当に大健闘でした。留学生を除いて、関東以外の大学は善戦することはあっても区間賞など本当の1位は取れていませんでしたから。また1つ、歴史の扉を開いたのではないでしょうか。

 チームのエースではなく日本のエースとなれる選手が関東以外の大学から出てくれば、関東一強の学生駅伝界にも風穴を開けられるかも知れません。女子は各地に強豪が分散しているのですから、男子でもそうならないという道理はありません。

 

 青山学院大学はここで4位でも問題無いという向きが多数ですし、私自身もその意見には同意できるのですが、少し気になる数字があります。

 2015年シーズン以降の青山学院大学の成績は3、2、1、3、1、2、4。黄金期を迎えて以降ずっと維持していた表彰台を今年は守れませんでした。このチームが本当に強かったのは2年前までで、去年は自力が落ちながらも最後に伸びて箱根駅伝で優勝を果たしましたが、今年はどうなっていくのでしょうか。トラックのタイム自体はここまで去年と同様、順調に伸ばしているようです。

 

 

大穴狙い幕内最高優勝予想 令和2年11月場所編

 異例の1年となった今年の相撲も最後の場所を迎えることとなりました。両横綱休場でもこれまでは出場さえすれば強いとの見方ができましたが、この1年でついに世代が入れ替わった感があります。もう旧世代で残るは両横綱のみという状況。今場所も主役争奪戦となりそうです。

 大関が3人に増えた今、ブランクのある大関優勝はなるのでしょうか。その先には綱取りレースが幕を開けそうです。こんな事を言っていると、そろそろまた御嶽海辺りが優勝しそうですが。

 

大穴狙い幕内最高優勝予想:遠藤

 故障さえなければの典型例である遠藤。実は上位総当たり圏外に落ちるのは2年ぶりだったりします。もはや上位クラスといって差し支えない遠藤。上位力士が下位に落ちて大勝ちする事は珍しくありませんが、それだけでなく遠藤は2桁勝利が多いという特徴があります。調子に乗らせれば一発があるならば、体の状態が良い方に賭ければかなり期待が持てるのではないでしょうか。

 

その他注目ポイント

東小結 照ノ富士

西小結 高安

 元大関の2人が三役に復帰してきました。ここからが本当の勝負です。先場所の活躍を見ていれば、大関復帰は決して無理難題ではないはずです。

 

西幕下1枚目 納谷

西幕下3枚目 琴太豪

 もう何度目か分からない十両挑戦。納谷は期待されながらも足踏みしているように思われていますが、星取り自体は豊昇龍と大差ありません。ただ、番付運が悪いだけです。先場所も十両昇進は確実かと思われましたが、不運な据え置きとなり東筆頭にすらなれませんでした。しかし能力はもう充分なはず。6勝くらいして文句無しでの昇進といきたいですね。

 琴太豪も万年新十両候補。絶対に諦めないという強い意志の元、昇進を目指します。ここ最近では一番の好調ではないでしょうか。

 

西幕下33枚目 吉井

 そろそろ負け越すと言われながら、とうとうここまで番付を上げてきました。ここまで来れば夢の負け越し無しでの関取を目指して欲しいですね。大卒力士が増えた今、本当のスピード出世が望める数少ない力士です。

 

東幕下53枚目 阿蘇ノ山

 かつて豊昇龍、納谷と同時に入門して第三の力士として期待されていました。当ブログでも以前に取り上げています。

納谷・豊昇龍と並び立つ第三の力士、中西勇成 - 化けない狐のB級応援!

 度重なる故障に苦しめられてきましたが、先々場所、先場所と大勝ちして幕下にまで上がってきました。まだ20歳、これからの力士です。

 

西序ノ口16枚目 森麗

 服部桜が現れる以前、最弱力士と言われていた力士です。正直、服部桜はあまり好きではないんですよね。本当に勝つ気があるのか微妙なので。

 森麗は弱いながらも常に勝とうとしていました。地道な努力で序二段で勝ち越すほどにまで強くなりました。

 しかしそんな森麗も33歳。衰えは隠せず、ここ1年は序二段から遠ざかっています。序ノ口は勝ち越しさえすれば即序二段に上がることができます。もう一度、森麗の勝ち越しを見ることはできるのでしょうか。

 

箱根駅伝予選会最下位通過校の本戦順位

 単純に考えれば格落ちになるはずですが、当日のコンディションの影響も受けるので一概には言えません。以前順天堂大学が予選最下位からシードを取ったことがあったのを覚えているので、調べてみました。

 

赤字 シード獲得

水字 ブービー

青字 最下位

 

シード枠無し

23回 日本大学    6位

24回 東洋大学   10位

25回 立教大学    9位

26回 東洋大学   12位

27回 法政大学    5位

28回 日本大学    3位

29回 東京農業大学  8位

30回 東京教育大学  8位

31回 中止

上位10チームシード

32回 明治大学   14位

33回 神奈川大学  15位

34回 神奈川大学  14位

35回 埼玉大学   14位

36回 神奈川大学  15位

37回 防衛大学校  15位

38回 神奈川大学  15位

39回 防衛大学校  15位

40回 横浜市立大学 15位

41回 神奈川大学  15位

42回 神奈川大学  14位

43回 神奈川大学  12位

44回 駒澤大学   14位

45回 明治大学   15位

46回 神奈川大学  14位

47回 東京教育大学 11位

上位9チームシード

48回 明治大学   15位

49回 青山学院大学 13位

50回 神奈川大学  20位

51回 早稲田大学  15位

52回 法政大学   14位

53回 法政大学   14位

54回 国士舘大学  12位

55回 亜細亜大学  15位

56回 中央大学   無効

57回 拓殖大学   15位

58回 拓殖大学   14位

59回 亜細亜大学  13位

60回 東京学芸大学 19位

61回 亜細亜大学  14位

62回 亜細亜大学  14位

63回 山梨学院大学 15位

64回 東京農業大学  6位

65回 法政大学   15位

66回 東洋大学   13位

67回 明治大学   14位

68回 国士舘大学  13位

69回 法政大学    7位

70回 筑波大学   20位

71回 駒澤大学   13位

72回 駒澤大学   12位

73回 拓殖大学   13位

74回 日本大学    7位

75回 法政大学   14位

76回 拓殖大学   14位

77回 平成国際大学 13位

78回 関東学院大学 12位

79回 専修大学   19位

上位10チームシード

80回 国士舘大学  17位

81回 帝京大学   16位

82回 専修大学   15位

83回 国士舘大学  19位

84回 法政大学   16位

85回 青山学院大学 22位

86回 法政大学   19位

87回 専修大学   17位

88回 順天堂大学   7位

89回 東京農業大学 17位

90回 国士舘大学  22位

91回 創価大学   20位

92回 上武大学   20位

93回 日本大学   19位

94回 東京国際大学 17位

95回 上武大学   22位

96回 中央大学   12位

97回 専修大学   ???

 

 非常に厳しい結果を見てとることができました。時折シード入りもありますが、その半数以上が最下位かブービー。どうやら予選会はその年度の実力を如実に表し、本戦での逆襲はなかなか起こらないようです。

 とはいえ、全くの絶望という訳でもありません。特に今年はロードレースとはやや異なる趣だったので、本戦では全く違った結果が出る可能性もあります。

 本戦出場をするチームには平等にシードのチャンス。予選最下位校過去最高の5位を目指してほしいですね。

 

97回箱根駅伝予選会の掲示板争いに注目する

今年の予選会の結果は以下のようになっています。

 

1位 順天堂大学  10年連続62回目 前回14位

2位 中央大学    4年連続94回目 前回12位

3位 城西大学    2年ぶり16回目

4位 神奈川大学  11年連続52回目 前回16位

5位 国士舘大学   5年連続49回目 前回19位

6位 日本体育大学 73年連続73回目 前回17位

7位 山梨学院大学  2年ぶり34回目

8位 法政大学    6年連続81回目 前回15位

9位 拓殖大学    8年連続42回目 前回13位

10位 専修大学    7年ぶり69回目

11位 筑波大学    前回20位

12位 中央学院大学  前回11位

13位 麗澤大学

14位 上武大学

15位 駿河台大学

16位 大東文化大学

17位 東京農業大学

18位 日本大学    前回18位

19位 慶應義塾大学

20位 亜細亜大学

 

 

 スーパールーキーが続々と入学し、前評判の高かった順天堂大学が順当にトップ通過を果たしました。

 その一方で予選会では必ず良い意味でも悪い意味でもサプライズがあるものです。去年のそれは筑波大学でした。今年のサプライズ枠は専修大学でしょう。数年前までは常連でしたが、ここしばらくは本戦から遠ざかっていました。今年も厳しい戦いが予想されていましたが、なんのその。見事最後の1枠を勝ち取ることができました。

 そのあおりを受けてはじき出されてしまったのが中央学院大学です。ここ数年は常にダークホースとして扱われ、一つ歯車が合えば青山学院と同じく一気に上昇気流へと乗ると目されていました。昨年もあと一歩でシード権を逃しただけで、選手の持ちタイムも悪くはなかったのですが、やはりレースは走ってみなければ分かりません。

 

 

 

 さて、当ブログでは以前から結果発表で直接名前を呼び上げられる15位以内の掲示板争いに注目してきました。

 

箱根駅伝予選会の掲示板入り争いが面白い - 化けない狐のB級応援!

 

 11位~15位に入った大学は毎年「ああ~」っとため息が漏れるものですが、それは惜しかったがこそ。そんなあと一歩の大学がどこだったかを見ていれば、将来の箱根駅伝の常連校が見えてくるのではないのかとの考え方です。

 ここに毎年入り、特に注目していた麗澤大学ですが、今年も届きませんでした。昨年度旋風を起こした筑波大学も予選落ちしましたが、しっかりとここに残っています。しかもあと18秒という惜敗です。全回の結果は決して偶然ではないというところを見せてくれましたね。

 以前紹介した上武大学もこの集団にいます。連続で本戦出場を逃しましたが、果たして帰ってこられるでしょうか。それとも、かつての関東学院のようになってしまうのでしょうか。

 

箱根駅伝予選会の門番上武大学 - 化けない狐のB級応援!

 

 今年も駿河台大学がここに入って来ています。こちらも予選突破間近だと言えるでしょう。麗澤大学とどちらが先に本戦出場を決める事ができるでしょうかね。

 

 一方で全回の出場校である古豪の日本大学掲示板にすら入れず散々な結果に。頼みの留学生が失速するのはよくある事ですが、後方を走る選手が揃いも揃って大乱調。元より安定感に欠けるチームではありますが、それ以上に悪い結果です。一体どうしてしまったのでしょうか。

 ここ10年、留学生頼みの色が濃くなっていただけに、このままズルズル行ってしまうと来年以降も厳しくなります。

 

 大東文化大学も2年連続で掲示板圏外。15位はある種のデッドラインであり、ここを超えてしまった東京農業大学なども弱体化してしまっています。何とか持ち直したいところです。

 

 

 

 いつもとは違った環境となり各大学の調子が読みにくい今年度、予選突破校はどのような活躍を見せてくれるでしょうか。特に独走で1位通過した順天堂大学はシードに留まらず、上位陣を脅かす存在になりそうですね。

 

令和2年大相撲秋場所感想&11月場所番付予想 相撲繊細オバケ、3度目の正直

 正代の優勝、そして大関昇進で幕を閉じた今場所の大相撲。

 休場者だらけの苦しい場所が続きますが、戦国乱世の主役争いが白熱化してきました。

 

 場所前に注目されていた3人同時大関チャレンジはまさかの1場所で完結。正代が来場所を経ずに昇進となった一方、御嶽海と大栄翔は白紙に戻りました。御嶽海はもう何度目か分からない連続2桁失敗。それでいて一定数の勝ち星は挙げるので、いつまで経っても三役の枠を圧迫したままです。

 かつての魁皇も似たような立ち位置から名大関になったので、そろそろ上がって欲しいのですが。

 

 隆の勝が前頭筆頭で10勝しましたね。話題になっていませんが、密かに大関取りの起点となりました。来場所以降、どのような成績を残すでしょうか。

 

 

場所前に注目していた力士達

 

 場所前に大穴狙い優勝予想として挙げた逸ノ城は振るいませんでしたね。照ノ富士に影響を受けて覚醒するかと期待したのですが、そんな事はありませんでした。

 

 納谷も宇良も勝ち越し、十両昇進できそうです。納谷は豊昇龍と比較され、出世が遅れたような扱いをされてきましたが、実際には番付運が悪かっただけで幕下での成績は豊昇龍と大差ありません。先場所の5枚目以内勝ち越しで半枚しか上がらなかったのは流石に不運すぎました。ならばと5勝を挙げて文句無しでの昇進です。

 

 琴太豪は微妙ですね。以前も栃煌山の引退発表が遅れた影響で昇進を逃すなど、恵まれない面がありましたが、今回もコロナ休場者の扱いに左右されそうです。引退力士の数によっては昇進できる可能性もありますが、はたして。

 

 爆羅騎は勝ち越せたようですが、圧倒ともいかず。年齢的にも残された時間は多くありません。ここで1つ形を作りたいところです。

 

 下位に目を転じると、オールドルーキーとして紹介した加藤桜はこれまでの不振から一転、6勝と躍進を見せました。

 一方でベテランには苦しい場所となっています。臥牙丸は今場所も全休。引退する訳でもなく、全休を続けています。続報もなく心配です。今でも現役と言うと驚かれる芳東はコロナの影響でとうとう連続出場記録がストップしました。

 

 

来場所以降の展望

 

 両横綱はまたも休場。白鵬はともかく、鶴竜は厳しい立場に追い込まれました。なかなか日本国籍所得の認可が下りず、文字通り進退窮まった状況です。10年前、朝青龍の電撃引退によってやって来た白鵬一人横綱時代。あれから色々な事がありました。幕内力士のほとんどはそれよりも後の入幕。それどころか、当時はまだ入門していなかった力士も大勢います。

 当初は最大のライバルを失い、向かうところ敵なし。中盤からは白鵬が大横綱としての地位を確立しながらも、白鵬日馬富士鶴竜稀勢の里琴奨菊豪栄道の同世代6強時代といった状況でした。三役常連の力士たちも含めて年齢が1~2歳差なだけに衰える時は一斉だと言われていましたが、今がまさにその状況でしょう。

 3力士は既に引退、嘉風豪風コンビや豊ノ島安美錦栃煌山も土俵を去りました。幕内の座を手放す琴奨菊そして次の場所で進退を賭ける鶴竜もどうなるでしょうか。白鵬時代の末期に再びの一横綱がやって来るのでしょうか。

 一方の白鵬にしても、思っていたより重症だとの話。出場時に勝てなくなった時、それが引き際となるでしょう。

 

 次の時代は未だに見えてきません。ただ1つ言える事はチャレンジャー側もうかうかしていられないという事です。

 正代は大関としては遅咲きの部類に入ります。あの旋風を巻き起こした遠藤はそろそろベテランの域が近付いてきました。御嶽海に北勝富士豊山、少し前に大挙して押し寄せ次の主役と呼ばれた学生出身力士達。当時からあまりゆっくりしていると下の世代に追い抜かれると言われてきましたが、早くもその兆候が出てきました。琴勝峰や豊昇龍が先陣を切って新たなる黄金世代が十両そして幕内へと進出してきています。

 一方でベテランの狂い咲きや照ノ富士に千代の国といった復活勢も合わさり混沌の土俵が続いています。朝乃山と貴景勝は頭1つ抜けており、このまま勢力が固まるかとも思いましたが、正代という刺客が現れました。その正代はここ4場所で3場所も優勝戦線に乗っており、一気に1番手へ躍り出る可能性もあります。

 この大混戦時代はいつまで続くのか。もしかすれば今場所が最後だったのかも知れません。ターニングポイントが分かるのはいつも後になってからです。

 

 

令和2年大相撲11月場所番付予想

  白鵬 横綱 鶴竜

 貴景勝 大関 朝乃山

  正代 大関

 御嶽海 関脇 隆の勝

照ノ富士 小結 高安

 若隆景 前1 霧馬山

 大栄翔 前2 阿武咲

   輝 前3 北勝富士

隠岐の海 前4 妙義龍

 琴勝峰 前5 翔猿

 

 正代の大関昇進を受けて、ところてん式に高安が三役復帰となりそうです。復調傾向がありますし、照ノ富士と共に大関復帰を目指して欲しいですね。

 

幕内ー十両 入れ替え

 琴勇輝・琴ノ若千代翔馬・天空海・千代の海・(千代ノ皇or明瀬山)

 旭大星・松鳳山・阿炎・石浦琴奨菊・(志摩ノ海)

 

 6枠目はここ最近の下げ優先傾向からすれば入れ替えとなりますが、今日の割は明らかに入れ替え戦でした。千代ノ皇が勝てば逸ノ城を引きずり下ろして昇進、明瀬山と天空海の勝った方を昇進、そのような明確な意図を感じ取ることができました。一方で志摩ノ海は特に入れ替え戦といった様相ではなく今場所好調の若隆景と当てられています。

 千代ノ皇と明瀬山は単純計算では同じ地位となり、どちらか片方だけを上げるのは不公平。これを踏まえて、入れ替えは5人と予想します。

 

十両ー幕下 入れ替え

 貴源治常幸龍・納谷・宇良・(千代の海・琴太豪)

 北播磨・王輝・大翔鵬・(富士東・東龍)

※木崎海が引退

 

 コロナ休場者の扱いがどのようになるのか。それによって大きく変わってきそうですが、候補としてはすんなりと決まりそうです。ここにはまだ書けない事として、琴奨菊の進退に注目が集まっています。下位の力士にとっては人生が掛かることなので、気が気でないでしょう。果たしてどのような結果になるでしょうか。

 王輝はいつかまた帰ってきて、今度こそ関取初白星をもぎ取ってほしいですね。

 

大穴狙い幕内最高優勝予想 令和2年秋場所編

 また相撲の季節がやってきました。

 年6場所制定着後、最も長い混沌期のまっただ中にいる状況。両横綱は早々に休場となり、やはり本命不在。

 大穴狙いと称したお遊びの予想を続けてきましたが、もはや誰を予想に挙げても、それは大穴とは言えないのかも知れません。

 

大穴狙い優勝予想:逸ノ城

 

 勢が残留との予想が大勢を占めながら、ラッキーな形での幕内復帰となった逸ノ城。あれだけ珍しかった幕尻優勝が今年は2回ありました。二度あることは三度ある、3回目が無いとは言い切れません。いいえ、確かな可能性として充分あるはずです。

 元より逸ノ城は調子が良ければ上位陣ですら相手にならず、13勝14勝をしたこともある力士です。本来の力を発揮できれば、下位では無双することでしょう。

 5年以上遅れましたが、逸ノ城照ノ富士の2強が今目覚めるかも知れませんね。

 もちろん、3関脇にも注目です。ただの3関脇にあらず、全員が大関挑戦の場所ですから。挑戦者が多いと得てして星のつぶし合いになる事もありますが、その中で勝ちをもぎ取っていくことができるでしょうか。

 

その他B級注目ポイント

 

幕下上位のみなさん

 

 木崎海の電撃引退があり、コロナの影響で十両力士に初日からの休場者が増えました。このまま3枠が空きとなるなら、それだけでも大チャンスです。5枚目以内でも4勝だと納谷のように半枚しか上がらない事もありますが、今場所では勝ち越せば十両が大きく近付くことになりそうです。

 その納谷ももちろん、いよいよ復活目前の宇良、先場所に続いて再チャレンジの琴太豪と役者揃いです。この中で誰が抜け出すのか、楽しみです。

 

爆羅騎 東序二段15枚目

 

 珍名の弱い力士が揃っているという印象が付いてしまった式秀部屋の中で、数少ないホープでした。入門から1年経たずに三段目で全勝。関取昇進は時間の問題かと思われましたが、その後徐々に輝きは失われていき、とうとう今場所は序二段にまで下がってしまいました。このままでは終われません。格の違いを見せ付けたいところです。